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ドイツのトウモロコシ畑

2007年11月21日 | 環境・エネルギー

今年の7月の終わりに、フランクフルトから友人の自動車でフランスのアルザス地方に向かいました。アウトバーン(高速道路)沿いに広がる田園風景をぼんやり眺めつつ、私はトウモロコシ畑が異様に多いのに気がつきました。

実は同じ道を昨年の6月の初めにも通ったのですが、その時畑にどんなものが栽培されていたのかは覚えていません。トウモロコシの時期には早かったので、種は蒔かれていたとしてもまだ育っていなかっただけなのかもしれません。それにしても、今年の旅行で見たトウモロコシ畑の多さはとても印象に残りました。

ドイツといえば大麦とジャガイモ-私にはイメージ的にはそちらの方が強く、ドイツのトウモロコシ畑という図があまりしっくりきませんでした。ドイツでは昔からトウモロコシ栽培がさかんなのだろうか・・・急にそんな疑問が沸いてきたので調べてみると、ドイツでは最近ビールの原材料となる大麦の栽培をやめて、トウモロコシ栽培に切り替えている農家が増えているということがわかりました。価格が上がっているだけでなく、国がトウモロコシ栽培をする農家に助成金を出しているからです。

ご存知のとおり、トウモロコシは人間の食材料、家畜の餌でもありますが、近年は環境に優しいバイオ燃料エタノールの材料として需要が高まっています。実際はエタノールの燃焼時にもCO2は排出されるのですが、原料となるトウモロコシはじめサトウキビなどが生長する過程でCO2を吸収するのでその分を差し引くという考え方です。

「さすがに、エコ大国ドイツ」と言いたいところなんですが、なんだか引っかかる点もあります。

トウモロコシの栽培をする農家が増えたお陰でドイツの大麦の生産量が減り、その結果大麦の価格が倍に跳ね上がりました。そしてそれがビールの値段にも影響しています。ドイツのビールの消費量はそれでなくても減少傾向。拍車がかからないことを望みます。

さて、話が変わりますが、ドイツでは「ビオナーデ(Bionade)」というオーガニック炭酸飲料が大ブームを巻き起こしています。この麦芽だけを使ったソフトドリンクは、バイエルンのあるブラウマイスター(ビール醸造職人)が1995年に発明し、長い年月をかけて改良したものです。

ここまで来る間には資金面他大変な苦労があったようですが、その甲斐あっての人気。今年からドイツ国内のマクドナルドでも発売されており、周辺国にも輸出されるようになりました。また、真偽は分りませんが、この人気に目をつけたアメリカのコカコーラ社から買収の話もあったらしいです。(ブラウマイスターは断わったといいます。)

このブラウマイスターは、冷遇されている大麦の救世主だけでなく、ある意味で、ドイツの救世主になるかもしれません。

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