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※旧Various Topics(OCN)

ニューカレドニア暴動に思う-4

2024年05月21日 | 国際・政治

80年代、セブ島、モルディブ各2回、ケアンズ(グリーン島)の海に行き、『海と島の旅』を愛読していた私が、今一つ「ニューカレドニア」に興味を持てなかったのは、繰り返し書いた森村桂氏の『天国に一番近い島』を中学生のころ読んでいたからだとす。(当然、原田知世の映画は観る気にならず。)

セブ島があるフィリピンは独立、モルディブは1976年に独立。ケアンズがあるオーストリアのアボリジニなど、ニューカレドニアのカナックと同じというよりも、アメリカやカナダのインディアンやエスキモー(イヌイット)と同じで、「独立」を口にできないくらいの少数派になってしまいました。

モルディブが独立できたのは、「モルディブ島が集まった国で各島が大きいものでも一周数十分、これといった資源があるわけでもない、輸出品か食べるのもカツオメイン、野菜も取れないので輸入するしかない国」であったからだったと思います。

それに比べて「ニューカレドニア」は「資源の呪い」がありました。

資源の呪い - Wikipedia

 

六辻彰二氏の記事のリンクと抜粋です。

“天国にいちばん近い島”の暗黒史――なぜニューカレドニアで非常事態が宣言されたか(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

抜粋:

ニューカレドニアは誰のもの

(前略)

 カナックには以前からフランスからの独立を求める声があった。

 カナックはニューカレドニアにもともと暮らしていた人々の子孫で、かつては人口の大半を占めていたが、現在では全人口の約4割程度にとどまる。

 この地に19世紀からフランス人をはじめヨーロッパ人が数多く移り住み、さらに20世紀初頭にはニッケル鉱山などの開発のため近隣アジア諸国から労働者が移住したからだ。

 それと入れ違いにカナックには土地の多くを奪われ、狭い居住区に閉じ込められた歴史がある。

 

 このフランスの手法は、ニューカレドニアの歴史に詳しい江戸淳子教授の言い方を借りれば「英国がオーストラリアのアボリジニーに、アメリカがインディアンにとった政策や、南アフリカのアパルトヘイト政策に等しい」(表現は原文のまま)。

 第二次世界大戦後、全世界的に植民地主義が下火になるにともない、カナックにも参政権が与えられた。そして1960~70年代になるとフランス本国での学生運動(パリ5月革命)やアメリカの公民権運動などの高まりを受け、カナックの独立要求も活発になった。

 フランス政府は過激な独立運動を取り締まる一方、カナックが求める土地改革に部分的に手をつけることで、その不満を和らげようとした。

(中略)

カナックに独立派が多いのは、文化的アイデンティティなどだけが理由ではない。

 法的には移住者と対等の権利が与えられていても、経済的・社会的にカナックはニューカレドニアの傍流に置かれている。その所得水準はカナック以外の住民と比べて平均32%低い。

 また、ニューカレドニア大学の調査によると、カナックの高等教育(大学など)就学率は3%程度で、移住者の1/7以下の割合だ。逆に、失業率は38%で移住者の4倍以上の水準にあたる。

 つまり、カナックはニッケル鉱山などの権益を握るヨーロッパ系富裕層、中間層を形成するアジア系の下に位置づけられやすいのだ。「この構造を打破するには独立しかない」となっても不思議ではない。

 

しかしまあ、SDGsを声高にアピールするなら、実質植民地、土地の乗っ取りをしている欧米の反省が先ですね。

 

追記:

『海と島の旅』は廃刊となってしまったのですね。
家の建て替えの時まで沖に入りの15冊くらい残しておいた冊子を泣く泣く処分してしまいました。

「セーシェル」の特集が特に気に入っていましたし、当時イスラエルの死海の特集、エーゲ海の特集・・・アンダマンの特集・・・実際行った産国の海の特集も、80年代と現在を比べるためにも残しておけばよかった。

 

参考:

楽園モルディブの30年後 - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

国民から追放されたマルコス大統領と安倍首相が重なって見える - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

海外旅行のホテルでの体験~アメリカの「地下の家」の謎-1 - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

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