「久しぶりの東博、やはり楽しい♪(その1)」のつづきです。
まだ本館2F「総合文化展・日本美術の流れ」の途中なのですが、諸事情により、「総合文化展・日本美術の流れ」の後半と本館1Fの特別展「孫文と梅屋庄吉」、そして本館1F「総合文化展・ジャンル別展示」をすっ飛ばしまして、平成館1Fから再開します。
「総合文化展・日本の考古」の展示は、他の展示室に比べて展示替えが極めてビミョーで、気をつけないと「前に観たぞ…」と、ビミョーな変化を見落としがちなので注意が必要です
もっとも、何度観ても楽しい展示品もありまして、私の場合、埴輪を観るのが楽しみです。
例えば、家の埴輪とか、水鳥の埴輪(大阪府羽曳野市 伝応神陵古墳出土)とか、
こちら
の「盛装の男子」(群馬県藤岡市白石字滝出土)や後ろにちらりと見える「犬」(群馬県伊勢崎市境上武士出土)とか、ご存知、埴輪で唯一の国宝
に指定されている「挂甲の武人」(群馬県太田市飯塚町出土)とか、もう、私はニコニコ
です
こちらの「盾持人」(群馬県太田市薮塚町 若水塚古墳出土)の表情なんて、もう、何をか言わんや
後ろの「猪(ホントか?」(群馬県伊勢崎市境上武士出土)もいい味を出しています(こちらは重要文化財
)
今回、初めて観て気になったのが、こちら。
「翳(さしば)」(群馬県伊勢崎市豊城町権現下出土)の埴輪だそうですが、そもそも「翳(さしば)」って何?
プレートの英文表記(この記事を書くにあたって読みました)では、
Ceremonial Fan Haniwa
とあって、直訳すれば「祭祀用うちわ」です。
調べてみますと、「長い柄のついた団扇」だそうで、高松塚古墳の壁画に描かれた女官たちのうち先頭の方が持っているものがソレらしい(こちらのサイトをご参照方)。
ホントにそうかなぁ~
この埴輪を観る限り、団扇よりもヤツメウナギの口のように見えるのだけど…(ヤツメかやきを食べたいゾ
)
「総合文化展・日本の考古」のもう一つのお楽しみは、意表を突く出土品の展示です。
時々、東京から出土した小判が展示されたりしているアレです(こちらの記事をご参照方)。
昨日は、「武家屋敷の瓦」と題して、江戸の大名屋敷跡から出土した家紋入りの屋根瓦が展示されていました。
一昨年末に九州国立博物館に行った時(記事はこちら)、トピック展示「お姫様の婚礼道具」でも観た南部家(盛岡藩)の向鶴紋とか、
百万石の威光を見せつけるかのような金箔貼り
の前田家(加賀藩)の梅鉢紋とか…。
そして、私にとって感慨深かったのは、旧熊本藩邸跡から出土したこちらでした…。
桔梗紋です。
この紋はこちらでも書いたように、加藤家の紋。
展示の説明によると、
桔梗紋は熊本藩加藤家の家紋。加藤清正は1603年に外桜田に屋敷を下賜されました。しかし忠広の代の1632年に領地を没収され、熊本藩は細川家、江戸屋敷は彦根藩に引き継がれます。この瓦は、加藤家の短い歴史を物語るように17世紀初頭の特徴を備えています。
だそうです。
う~む…ですなぁ。染みますなぁ… (ただ、「17世紀初頭の特徴」が何かが判らない…
)
感慨にふけりながら考古展示室から出てくると、、、、
なんですか、この大量の人
しかも、「空海と密教美術展」の会場に向かうエスカレーターも、
団体さんの観光バスが到着したのかと思わんばかりの観客が「空海と密教美術展」の会場に向かっています
平成館1階のお茶コーナーも、
かなり混んでいます
平日(木曜日)の昼下がり(3時ちょっと前)とは信じがたい光景が繰り広げられていて、私は完全に萎えました…
すでに総合文化展の観覧で満腹に近かった私、「空海と密教美術展」を観るのは後日に廻すことにして、とぼとぼと本館1F「総合文化展・ジャンル別展示」に戻ったのでありました。
いやはや、平日の昼間に、これほど暇な人たちが世の中にいるとは思いもよりませんでした
週末に「空海と密教美術展」を観に行こうとお思いのあなた、心してお出かけください
つづき:2011/08/27 久しぶりの東博、やはり楽しい♪(その3)