新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

秋田市内の美術館&記念館もなかなか♪(その3)

2011-08-20 00:13:24 | 美術館・博物館・アート

秋田市内の美術館&記念館もなかなか♪(その2)」のつづき、完結編です。

   

110820_1_01 赤れんが郷土館の2階、旧・会議室は「関谷四郎記念室」となっていて、秋田市出身の人間国宝・関谷四郎さんの鍛金作品が、再現された関谷さんのアトリエと共に展示されています。

鍛金というのは、簡単に言えばWikipediaの記述「金属工芸に用いられる技法の1つ。金属に熱を加え槌(金槌)で叩き加工する技法。金属に熱を加えると伸び縮みする特性を活かした技法である」のとおりなのでしょう。
展示室では1枚の銅板が、叩かれ、叩かれてボウルになるまでの途中経過が現物で見ることができます。

さて、関谷さんの作品、どれもステキでした。できることなら、展示されているものを全部「お持ち帰り」したいくらい。
とくに、右のフライヤーに載っている「打出流線壺」はイイ
もっとも、ほとんどの作品は、実際に使いたい実用的なものでしたが、さすがに銀製のやかんは、火にかけることが憚れるでしょうが…

ところで、再現されたアトリエは、東京・板橋の大谷口にあったらしい。大谷口といえば、私、土地鑑がありまして、かなり身近に感じられました。
調べたところ、板橋区立郷土資料館にも関谷さんの作品が常設展示されているようです。

   

以上で赤れんが館はお終い。1階に降りて新館に移動し、2階(企画展示室)へ向かいました。

110820_1_02

新館は、2階が企画展示室、3階が勝平得之記念館になっていて、エレベーターの扉は、当然のごとく勝平さんの作品がモチーフになっていました。

さて、企画展示室で開催されていたのは、「~得之の実像に迫る~コレクター・勝平得之の世界」で、勝平さんのコレクション、浮世絵の他、勝平さん憧れの画家だったという竹久夢二の作品、親交があったという棟方志功の作品や棟方からのハガキ、さらにはさまざまな技法による版画作品、さらにさらに曼荼羅なんぞも展示されていました。

この辺りで、母親との待ち合わせ時刻が気になってきて、やや急ぎ気味に3階の勝平得之記念館へ。

   

勝平得之さんは、生涯、生まれ育った秋田の地で、秋田の風俗を描き続けた版画家です。

110820_1_03 左に載せたフライヤーに書かれている説明には、

版画家勝平得之(かつひら・とくし)は、明治37年(1904年)、秋田市鉄砲町(現在の大町六丁目)の紙漉き職人の家に生まれました。

幼い頃から絵が達者であった勝平は、地元紙に墨刷り版画が掲載されたのをきっかけに、20歳頃から独学で版画を学び始めます。その後、浮世絵版画の美しさに出会い、絵・彫り・摺りの3つの行程を一人でおこなうという、当時の美術思潮である創作版画の影響のもと、独自の彩色版画の世界を生み出しました。
《中略》
郷土秋田の古き良きものが、温かで包み込むような視線で描かれた作品は、美術作品としてのみならず、秋田の文化や風俗を知るための貴重な資料でもあります。今もなお多くの人々に親しまれ、秋田の懐かしい風俗とともに私たちの心の中に残る“ふるさと”ともいえるでしょう。

とありまして、後段の記述は私の感覚とも、まさしくどんぴしゃり。私の世代には、「懐かしい風俗」というにはズレていますが、それでも両親の小さな頃、あるいは祖父母の時代の秋田に思いを馳せることができる作品ばかりです。

秋田県立近代美術館のある秋田ふるさと村の階段室にもステンドグラスになって展示されていました。

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ところで、勝平さんの略年譜を見て、この記述に、おわぁ

明治44(1911)年 7歳 秋田市旭南尋常小学校入学

なんとまぁ、私が入学した小学校の大先輩ではありませんか(私は小学3年生の時、引っ越したため、卒業は別の小学校です)
いやぁ~奇遇です
ますます親近感が高まります

赤れんが郷土館のリーフレットから勝平作品を載せておきましょう。

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左下の作品は、(その2)で書いた「八橋のおでんつぁ」が販売されている様子です。当然ながら、私が生まれる前の光景ですけど…。
私の親の世代にはたまらない作品群だろうと思います。

   

ということで、かなりドタバタと赤れんが郷土館を観終えました。

 

もうちょいのんびり観たかったデス

110820_1_06

また機会があったら再訪して、更に、「ねぶり流し館」こと秋田市民俗芸能伝承館にもハシゴしたいものダぁ

秋田へお出かけの節は、飲み食いだけでなく、市内の美術館・資料館にも足をお運びくださいませ

これにて「秋田市内の美術館&記念館もなかなか♪」全巻の終わりであります。

コメント
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