コンビニの店員を土下座させたという事件が大阪でありました。
ずっと以前、コンビニを経営している知人に話を聞いたことがあります。
クレームがあったり、万引きとかがあったときに一番たちが悪い、開き直ったときはどうしようもないのが中年の女性。
万引きといっても、たかだかむすび120円とかそんなもんで、お金がないというんじゃない。
万引きの場合は一対一で話はしない。
まず現状確認をし、必ず店の者2、3人と話をする。
というのは、女性の客と僕1人だったら、触られたとか、何かされたとかいうふうになるとまずいから。
人数が足りないとよその店舗から呼び出す。
万引きができるんだと思われてしまうと大変なので、どっかで抑止力というか、させない、ここでは絶対できないという雰囲気を作ることが必要。
一杯飲んだサラリーマンはたちが悪い。
特に金曜。
中年のおじさんの文句は、自分が買いたい商品がないというのが多い。
たとえば「アイスクリームがほしい」ということ。
「ハーゲンダッツのメロンがない。何でメロンがないんじゃ。わしはメロンが食いたい」
「イチゴはいかがですか」
「イチゴはいらん。お前んとこはなんでメロンを仕入れんのか」
というところから始まる。
こっちは「申し訳ございません」と、とにかく頭は下げっぱなし。
「お客様、全くその通りです」という姿勢でいる。
それでもくどくど言い、30分なり40分なり経つと、「上司を呼べ」と言う人が多い。
僕が店にいないときは、携帯に電話が入る。
スーツに着替え、30分ぐらいして行く。
すると「お前が責任者か」ということで、またなんだかんだとなる。
でも、ある程度酔いが醒めると、自分が理不尽なことを言ってるな、これはまずいというのがあるようで、トーンもだんだん下がってくる。
最終電車までには帰りたいと。
下手にトラブるというのが一番上層部の嫌うところだから。
ともかく「お客様が100%悪くても謝れ」という姿勢は変わらない。
だから僕らはいいカモですね。
コンビニでは、たとえば一袋46円80銭で仕入れているお菓子を46円10銭に値引きさせようと交渉の結果、46円50銭になる、つまり百袋売れて30円のもうけというところで駆け引きする世界なんだそうで、大変だなとびっくりしました。