月日が経つのははやいもので、今年も十一月を迎えた。冷たく張りつめた空気が頬をさす。
晩秋には紅葉。我が家から見えるケヤキの大木は、天辺を紅く染め始めた。校庭の桜もはらはらとなごりを惜しむかのように散り始めた。
レオ・パスカーリアの「葉っぱのフレディー」という童話を読んだことがある。
青々と小さな芽をだした葉っぱのフレディーは、季節の移り変わりを友だちとすごす中で、新しい出会いと別れを経験し、やがてやってくる冬の落葉にいのちのうつりかわりを感じ、自分もまた一枚の落ち葉として一生を終えていく。
春夏秋冬。私たちの人生も一枚の葉のように、ときには暖かい光を浴び、ときには嵐の猛威にさらされ、ときには静寂の中で物思いにふけり、そして自己の生き方を振り返りながら、最後のときを迎える。
鮮やかな紅葉の姿は、私たちの目を和ませてくれる。自然が私たちに見せてくれる大いなる摂理。その燃え盛る彩りに圧倒されながらも、移りゆく季節と新たな息吹への期待を静かに味わいたい。
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