goo blog サービス終了のお知らせ 

三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

黙食と刑務所

2023年01月10日 | 
給食の「黙食」やめます 千葉知事「子どもだけ過度な制限、非合理」
 千葉県は22日、給食の「黙食」は不要と改める通知を県立学校や市町村教育委員会に出した。熊谷俊人知事は同日の定例会見で、「学校によっては、必要以上の対策を行っているケースが散見される」と指摘。「社会全般で活動制限の緩和が進められている中で、子どもだけが過度な制限を課せられることは合理的ではない」と強調した。(朝日新聞2022年12月23日)

https://www.asahi.com/articles/ASQDQ7DBWQDQUDCB008.html

坂上香『プリズン・サークル』は島根あさひ社会復帰促進センターでのTC(回復共同体)という取り組みのドキュメンタリーを本にしたものです。
坂上香さんは刑務所の食事風景をこのように書いています。

「いただきます」の声でチャカチャカという箸と食器のこすれあう音がする。
みんな猛スピードで食事を口の中にかきこみ、音は急激にすうっと小さくなっていき、音が聞こえなくなったとたん、「姿勢を正してください。ごちそうさまでした」の号令がかかる。
7、8分で食事は終了する。
刑務所では話しながら食べることが禁じられている。
食べるペースが均一化されていて、食べ終わりのタイミングにはほとんど個人差がない。
食事の時間が長引けば、その後の分刻みのスケジュールに支障をきたす。
それは連帯責任となる。
嫌がらせを受けるのを恐れて、みんな急いで食べる。
食べるのが遅い人は食べ終わっていなくても箸を置く。

坂上香さんは刑務所と学校の給食は似ていると指摘します。
『プリズン・サークル』を見た人の感想に「娘の学校とそっくり」というものがあった。
新型コロナウイルス感染症の出現で、黙食も黙って行動することも当たり前になったが、以前から教育現場では黙食、黙働掃除や無言掃除(黙って掃除をする)、黙移動(黙って移動する)という用語が存在し、推進する学校が少なくなかった。
沈黙を強要する教育についての全国の教員への調査によると、子ども同士でチェックしあい、相互監視体制をつくり、一切の声を禁じる潮流がある。
ヒューマン・ライツ・ウォッチングの報告書でも、日本では校則が細かく決められるなど、刑務所とのつながりが指摘されている。

熊谷俊人知事はツイッターで「あの異様な空間を見て、デメリットを感じられない方とは見えている景色や価値観が違うので、SNS上で意見交換する気はありません」とつぶやいています。
https://twitter.com/kumagai_chiba/status/1611147725533483008
「異様な空間」はコロナ以前からあり、教育行政はメリットを感じていたわけです。

超宗派有志僧侶の会という反ワクチン、反マスクを主張する会があります。
理念の一つが黙食の中止です。

〇子どもたちの、新型コロナウイルス感染症対策を理由とするマスク着用、並びに給食昼食時の黙食に反対します。

https://www.kamakura-yakuouji.com/archive/3692/

黙食をやめるようにと言う人の中には。マスク着用は害があると考える人がいて、さらにはワクチンの接種をしてはいけないと主張する人が少なくなく、コロナは存在しない、ディープステートの陰謀だと信じている人もいます。
熊谷俊人知事がどの段階かはわかりませんが、超宗派有志僧侶の会の主張をどう思うか聞きたいです。