三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

「いまこそ死刑廃止を 袴田事件と飯塚事件」

2014年08月02日 | 死刑

「FORUM90」VOL.136は、フォーラム90主催の集会「いまこそ死刑廃止を 袴田事件と飯塚事件」での話が掲載されている。
この集会は袴田事件の再審開始の決定を受けてのもの。

保坂展人氏の話では、1999年、法務省の矯正局長が「袴田さんの話のなかに“天狗”という言葉がしばしば登場するんですよ。死への恐怖には凄まじいものがあって、妄想に逃げ込んで自己防衛しなければ、現実が襲ってくるんだろう」、そして「その状態というのは、明らかに治療が必要なんじゃないですか。そしてこの治療というのは、はっきり言って、拘禁を解けば、回復に向かうと思われます」とも言ったそうだ。
法務省は袴田さんが病んでいることを知っていながら、何もしなかった。

2002年、衆議院法務委員会で、保坂展人氏の「大臣と一緒でもいいです、あるいは私だけでもいいです。やはり国会議員として、諸外国ではこういう事態が起きると国会議員は刑務所の中に入るんですよ。どういう状態なのか、そして施設の長とも話をして、工夫をするなり、お姉さんと対面させて、治療をどういうふうにするのかとか、きちっとしたことをやるんですね。これは今のままでは進まないんです。具体的に何らかの努力をしていただきたい」という質問に、森山真弓法務大臣は

被収容者の方が会いたくないとおっしゃっているという話もございますし、断片的に聞くところによりますと、少し常軌を逸し始めた精神状態なのかもしれないとも思います。
東京拘置所におきましても、お医者さんのカウンセリングとかそういうことをやっているというふうに聞いておりますが、拘置所の方で具体的にその症状を見て適切な判断をしていってほしいというふうに考えております。

と、何もする気がないのがミエミエの答弁している。

袴田事件弁護団の戸舘圭之氏は静岡地裁の決定文に

袴田に対する拘置をこれ以上継続することは、耐え難いほど正義に反する状況にあると言わざるを得ない。

と書いてある。
矯正局長や森山真弓氏が何かしていればと思う。

2003年、保坂展人氏は東京拘置所の集中治療室に長くいる波崎事件の冨山常喜さんと会う。
新葛飾病院の清水陽一院長に同行してもらい、適切な治療・対応が行われているかどうかを見に行った。
清水医師の見立ては、「これは必ず感染症で亡くなります」とのことだった。
東京拘置所では治療を何もしていない。
人工透析をして、自分で食べる状態ではなく、寝たきりの状態。
この状態では感染症を防ぐことができない。
うちの病院に来れば、歩いてリハビリをしながら自分の力で食べることから体力を回復する可能性があると清水医師は話したという。
その半年後に冨山常喜さんは感染症で亡くなる。
ろくな治療をしないのはどこの刑務所・拘置所も似たり寄ったりらしい。

冨山常喜さんも冤罪を主張していた。
物的証拠はなく、自白もしていないのに死刑判決が下されている。
2014年7月16日現在の死刑確定囚128名。
無実の死刑囚は何人もいるだろうし、その人たちはまともな医療を受けていないんだろうと思う。

コメント (10)
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