三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

携帯はこの国を滅ぼす

2013年04月19日 | 日記

携帯は社会を退廃させていると、携帯を持っていない私は常々感じている。
歩きながらうつむいてメールをしている人とぶつかりそうになるし、自転車をこぎながらメールする人もいるし、驚いたことに自動車を運転しながらという人がいた。
自分の世界に没入している姿は異様な感じを受ける。

大臣が国会の審議中に携帯を見ているのだからどうしようもないが。

某研修会での講義録を読んでいたら、講師の「すみません、ちょっと電話がかかっています。メールでした。家内から無事に終わりましたかと」という発言があり、唖然とした。

この講師は某省の元お偉いさんで、現在は大学教授。
電源を切るのを忘れていたのだろうが、講義をしている最中にメールを見るというのはいかがなものか。
それに、こういうところもテープ起こしするということにも驚くし、編集者が削除すべきとは考えなかったのかとか、どう考えてもおかしい。

以下、携帯つながりのこじつけです。
山田悠介の『リアル鬼ごっこ』と『パーティ』を図書館で借りた。
というのも、次の記事を見たからである。

学校読書調査:中高生の好きな作家、「山田悠介」圧倒的1位 文豪は不人気
毎日新聞が全国学校図書館協議会(全国SLA)と合同で実施した「第58回学校読書調査」の結果が26日まとまった。中学生と高校生に一番好きな作家を聞いたところ、1位はともにホラー作家の山田悠介で、他を圧倒した。
全国の公立学校に通う小中高校生を対象に6月に実施、1万1313人の回答を得た。
あらかじめ選んだ30人から一番好きな作家を答えてもらうと、中学生は18%、高校生は22%が山田悠介を挙げた。2位は中学生があさのあつこ(8%)、高校生が東野圭吾(12%)だった。
山田悠介は、若者を主人公に猟奇殺人や自殺などを奇抜な発想で描く作家。01年に自費出版した「リアル鬼ごっこ」が49万部のベストセラーになり、10作品以上が映画やドラマ、舞台化されている。女子にファンが多く、中学女子は21%(男子14%)、高校女子は24%(男子21%)が一番好きと答えた。(毎日新聞2012年10月27日)

これは読まなくては、と思ったわけです。
ところがですね、「なんなんだ、これは」というつまらなさに、ネットで調べたら、やっぱりボロクソ。
アマゾンの『リアル鬼ごっこ』のレビュー、特に☆5つのレビューのほうが山田悠介よりよっぽど文章がうまいし、おもしろい。
なぜ山田悠介は人気があるのか。
山田悠介のすべての作品を読んだという芸能人がいて、どういう頭の構造をしているのかと思う。

さらにネットを調べたら、アンサイクロペディアの「山田悠介」の項、「彼が書いた著作に薫陶され、「俺でも書ける」との志の元ケータイ小説という新しい分野でも著書の影響を受けた作品が近年現れている」とあり、ちょっと納得した。

携帯小説は携帯の小さな画面で読むのだから、読みやすさが優先され、こみ入ったストーリーや濃厚な文体、こまかな性格描写などは必要とされないそうだ。
石田衣良は『6TEEN』で携帯小説を、「ああ、あのやたらもったいぶって、行間をあけてあるやつな」とあっさり。
「だいたい情景描写がないから、どこで事件が起きているのか、どういう状況なのかぜんぜんわからない」

山田悠介の小説は話のつじつまが合わないところがあるし、伏線かと思っても何もないが、携帯小説を読み慣れた人にはそんなことは問題にならないのかもしれない。
しかし、山田悠介の小説は活字本で読まれているわけで、それなのにどうして、とやはり思ってしまう。

面白い小説なら山ほどあることを中高生に知ってほしい。
『6TEEN』にも「最初からむずかしい作品では、読むほうの心が折れるかもしれない」とある。
とりあえずは、山田悠介がもらうことがないだろう直木賞受賞作品を読むことをオススメします。

コメント (2)
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