橋下徹府知事が高い支持率を保つ秘訣は何か。
門倉貴史『本当は嘘つきな統計数学』に、ネットによる調査だと、回答者自身の心理的特性などに起因する特有のバイアスが生じる、とある。
「モニターに応募したネット調査の回答者の属性的な特徴として、①正社員に比べて非正社員が多くなる②高学歴で専門技術職が多いなどの傾向がみられた」
「回答者の意識的な部分における特徴として、ネット調査では、多くの側面で満足度が低く、不公平感が強いという傾向が観察された。さらには、心の豊かさを好む傾向が弱く、金銭・物質への志向が強い」
不公平感が強く、金銭・物質への志向が強い人の心をつかむのが、橋下府知事は上手なんだと思う。
たとえば、公務員が給料に見合う仕事をしていないという攻撃とか。
それと、マスコミの協力もあると思う。
橋下府知事のしょうもない発言まできちんと報道している。
たとえば鳥取県議の定数についての発言(失言)。
橋下知事 鳥取知事に反論「口出すな」はおかしい
記者の質問に答える大阪府の橋下徹知事
大阪府の橋下徹知事は25日、「鳥取県議は6人でいい」との自身の発言に絡んで平井伸治鳥取県知事から「余計なお世話」と批判されたことに関し、「地方自治だから口を出すなというのは政治家としておかしい」と反論した。府庁で記者団に述べた。(スポニチ5月25日)
結局は謝罪したわけだが、「またやんちゃを言って。困った奴だ」と苦笑い、という感じか。
スティーグ・ラーソン『ミレニアム』に、経済ジャーナリストを批判した文章がある。
「政治記者が、ある政党の党首をアイドル扱いすることなどありえないのに、この国を担う有力メディアの経済記者たちが、なぜ揃いも揃って金融界の若い俗物どもをまるでロックスターのように扱うのか、ミカエルにはまったく理解できなかった」
この部分を読んで、ホリエモンのことを思い出した。
スウェーデンでは政治家をアイドル扱いはしないようだが、日本はスウェーデンとは違うらしい。