日本漢字能力検定協会の前理事長親子、背任の疑いで逮捕
日本漢字能力検定協会の大久保 昇前理事長らが、自らが経営する関連会社との取引で協会に損害を与えたとして、背任の疑いで逮捕された。大久保容疑者は19日、任意同行される際、「(背任については?)ないね、そういうことは。(メディアボックスはペーパーカンパニー?)そんなことない」と話した。(関西テレビ5月19日)
容疑者は否認しているし、推定無罪の原則があるから、この二人についてはあれこれ言わない。
気になるのが、日本漢字能力検定協会の理事・評議員を辞任した人たちのことである。
理事長 大久保 昇
副理事長 大久保 浩(事務局長)
理事(6名)
明石 康(元国際連合事務次長)
犬丸 直(日本芸術院顧問)
坂井 利之(京都大学名誉教授)
千 玄室(茶道裏千家家元・大宗匠、日本国連親善大使)
水谷 修(名古屋外国語大学学長、元国立国語研究所長)
森 清範(清水寺貫主)
評議員(13名)
阿辻 哲次(京都大学教授)
梅原 猛(国際日本文化研究センター顧問)
大森 厚(全国専修学校各種学校総連合会名誉会長)
樺島 忠夫(大阪府立大学名誉教授)
菊池 明(全日本中学校国語教育研究協議会顧問)
木村 治美(共立女子大学名誉教授・エッセイスト)
倉澤 栄吉(日本国語教育学会会長)
小林 一仁(桜美林大学名誉教授)
小林 芳規(広島大学名誉教授)
杉戸 清樹(独立行政法人国立国語研究所長)
寺嶋 秋子(劇作家・脚本家)
長岡 宣雄(京都市国語教育研究会顧問・元公立小学校長)
野間 佐和子(株式会社講談社代表取締役社長)
このそうそうたる顔ぶれが、2009年5月19日現在ではこういうメンバーとなっている。
理事長 鬼追 明夫(元日本弁護士連合会会長)
理事(6名)
植田 耕治(元京都成安学園常務理事)
長田 全(元新日本証券株式会社常務取締役)
高坂 節三(コンパス・プロバイダーズL.L.C.ゼネラルパートナー日本代表)
高木 直二(元早稲田大学理事)
水谷 修(名古屋外国語大学長・元国立国語研究所長)
監事(2名)
中野 淑夫(公認会計士)
松浦 正弘(弁護士)
評議員(13名)
阿辻 哲次(京都大学教授)
大森 厚(全国専修学校各種学校総連合会名誉会長)
菊地 明(元青山学院大学文学部講師)
木村 治美(共立女子大学名誉教授・エッセイスト)
倉澤 栄吉(日本国語教育学会会長)
小林 一仁(桜美林大学名誉教授)
小林 芳規(広島大学名誉教授)
近藤 勝重(元㈱ダイエーホールディングコーポレーション代表取締役社長)
笹原 宏之(早稲田大学教授)
寺嶋 秋子(劇作家・脚本家)
長岡 宣雄(京都市国語教育研究会顧問・元公立小学校長)
森 博達(京都産業大学教授)
山本 真吾(白百合女子大学教授)
明石康氏、千玄室氏、森清範師、梅原猛氏といった人たちはどうして辞めたのだろうか。
おぼれる船からネズミが逃げ出したのかと、私などは邪推してしまう。
○○検定というのは山ほどあって、中にはおかしなものもある。
その中で、漢検を2,893,071人もの人が受けている(平成20年度)のはいろんな理由があるだろうけど、理事会の顔ぶれが有名人ぞろいというのも大きい。
漢検はこの人たちが理事会に名前を連ねているからという安心感があると思う。
ところが、漢検の看板とでもいうべき人たちがさっさと辞めてしまった。
問題が明らかになったとたんに辞任したのでは、じゃあ、一体何なんだ、ということになる。
こういう状況だからこそ踏ん張って信頼を取り戻そうとは思わなかったのか。
名前を貸しただけというのがホンネだろうけど、理事会の一員になることを承諾した責任があるわけで、明石康氏の辞任の理由が「多忙なことなど」なんて言いわけにもならない。
今年の漢字を揮毫している清水寺の森清範貫主にしても、漢検の広告塔となっていたことをどう考えているのだろうかと思う。
「旅費及び日当は除き、理事としての報酬は一切支払われていない」とのことだが、はたしてそれだけのことなのだろうか。
鈴木宗男議員が国会で報酬額などについて質問しているのももっともである。
船場吉兆の客が食べ残した料理の使い回し、赤福餅の偽装事件などがなぜ問題かというと、老舗だから間違いない、という信頼を裏切ったからである。
辞任した人たちは似たようなものだと思う。