三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

橋下弁護士への賠償命令とダイオキシン(2)

2008年10月06日 | 日記

橋下徹弁護士はテレビで光市事件の弁護団に懲戒請求をかけるように煽りましたが、橋下徹弁護士自身は懲戒請求をしていない。
「時間と労力がかかる」などと言いわけをしている。

ところが、懲戒請求した人は怒ってもいいはずなのに、あるブログでは橋下氏を擁護している。

やっぱり、納得いかない。懲戒請求を出した人は皆そう思うでしょう。自分の意思で出したものを煽動された結果である、と認定されるわけですから。


別のブログにこう書いてあった。

そーいう、自分らの思い込みがどんどん否定されていって、世の中の全てを否定しなきゃならなくなる状態ってすっごくカルト信者的だよね(笑)。
まるで救世主であるかのように祭り上げてる(嘲)カルト信者よりたちが悪いわ(笑)。

事実を見ようとしないこの人のほうがカルトの信者みたいなものではないか。

オウム真理教の元信者たちはこう言っている。

「例えば、裁判で教祖の言動を見て、自分では情けないと思っても、「何か深いお考えがあるはず」って〝オウムを信じている自分〟を肯定してしまうんです」

「全然信じられませんでした。ただ、その当時は、「ああ、尊師はこんなウソまでついて私たちの志気を高めようとしているのか。それじゃあ、この芝居に乗っかかってやるしかないな」ってわざと信じるふりをしていたんです。
その後、(略)事件はオウムが起こしたものってほぼ確信したんです。でも私はやめなかったんですよ。一年くらい残っていたんです。
まだ残っている人もそうだと思うけれど、グルの真の意図を確かめたかったからですね。「私には理解できない、何か深い考えがあるのではないか」。それがありましたね」

「事件はポアで、グルの深いお考えがあってやったことに違いないって自分を納得させていたんです。具体的な事実を突き付けられても、信はゆるがなかったんです」(カナリアの会編『オウムをやめた私たち』)


麻原彰晃を信じ込み、自分は疑問を持つことすらしない信者と、橋下氏を擁護する人たちとは重なる。

一度信じたことは、それがいくら否定されても信じ続けることは多い。
武田邦彦『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』に、ダイオキシンをめぐるウソについて書いてある。

平成14年に厚生省はダイオキシンの規制値を決めたのだが、その報告書にはこう書かれているそうだ。

ダイオキシンは人間ではほとんど毒性が認められていない。急性毒性としてはニキビが最も重い症状であり、それ以外には認められていない。


もしもダイオキシンが猛毒なら、焼却炉で働いていた人、1日6本以上煙草を吸う人、焼鳥屋のオヤジさんはとっくの昔に何らかの症状が出ているいるはずだが、被害を受けたという話は聞いたことがない。

毒物についてほとんど知らない人たちが専門家の言うことがおかしいと言っているわけだから奇妙である。
ダイオキシンが猛毒だとなぜ信じているのかと理由を訊くと、口を揃えて「新聞にそう書いてあったから、テレビでそう報道しているから」と答える。


毒物を懲戒請求に置き換えてもいい。
ダイオキシン騒動や懲戒請求騒動は、煽り立てる人(そのことで得する人)がいて、マスコミがそれに同調し、そしてだまされる人がいるということである。

もっとも『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』に書かれてあることは「意図的な誤読やデータの捏造、論点すり替えなどに満ちている」そうだ。
武田邦彦氏がペットボトルや紙のリサイクル、分別収集は意味がないと書いているが、とても納得などできない。

自分の間違いを認めることは本当に難しい。

時の為政者や利益団体が事実と異なるうわさを流し、それでずいぶん儲ける、もしくは多くの人が死ぬというケースは歴史上も数多く見られる。例えば、中世ヨーロッパでは「魔女狩り」が行われた。

と武田邦彦氏は書いている。
自分の誤りについてはどうなのだろう。

毎日新聞は、光市事件の弁護団への懲戒請求を煽った橋下徹弁護士に賠償を認めた判決についてこう書いている。

専門家は「弁護団の主張に違和感があっても、『気に入らないから懲らしめろ』では魔女狩りと変わらない。冷静な議論をすべきだった」と警鐘を鳴らす。


橋下氏の話に戻って、判決文には「刑事弁護人の役割は刑事被告人の基本的人権の擁護」「被告のため最善の弁護活動をする使命がある」とあるそうだ。
そこをちゃんと理解しない人が裁判員になったら、弁護人が被告を弁護したら弁護人を非難する魔女狩り裁判になるんじゃなかろうとか心配になる。

コメント
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