マンションやホテルの偽装事件、防衛施設庁の談合事件と、虚飾という文字を絵に書いたような事件が相次いで発覚している。
ライブドアの堀江社長は、華々しく登場し、堀江容疑者となって掃き捨てられるようにテレビの画面から消え去った。
自殺者三万人時代、勝ち組負け組、フリーターにニート。
不況という暗闇を突破する光のような存在だった堀江氏も、最後はそのブラックホールに飲み込まれてしまった。
高い志と誠意をもって会社を創設し、技術と努力によって信用と利益を得て、国民の平和的、文化的な生活の安定に寄与することが、日本の企業倫理であったと思う。
日本が敗戦後、武器を棄て、経済をもって世界に挑戦し、平和と豊かな暮らしを得てきたことは、一人の国民として誇りに思う。
企業のトップから作業員にいたるまで、はたらく意義と喜びにあふれ、それをはげみに家族を養い、今の日本を作ってきた。
最近のいわゆる郵政民営化からはじまる小泉構造改革路線は、沈滞する不況に風穴をあける核ミサイルだったのだろうが、結果的に放射能をまき散らし、長い間人々を苦しめることとなるやもしれない。
国内の経済が危機に陥ると戦争が起きるという歴史の見方がある。
表面に見える形は違っても、根がつながっているということもある。
日本がどこに向かうのか、危惧する材料が見えたときこそ注意深く世相を見なくてはいけない。