三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

フランシス・ローレンス『コンスタンティン』と神

2005年05月07日 | 映画

『コンスタンティン』は、神と悪魔が人間を自分のほうに、つまり天国と地獄に誘おうと競争しているという映画である。
普通の人には見えない悪魔の手先や天使が、なぜか主人公コンスタンティンには見える。
変なものが自分にだけ見えるわけだから、悩み苦しみ自殺をしたら、地獄に堕ちてしまった。
すぐに蘇生されたのだが、もう地獄には行きたくないというので、せっせと悪魔を地獄に追い返すという善行を積んでいるという話である。

自殺した人を教会で葬式はできない、自殺者は地獄に堕ちる、とはっきり神父が言うし、神と悪魔が対等という設定だから、これはキリスト教批判の映画なのか、キリスト教関係者から抗議が出ないのかと、早とちりして心配になる。
そこはハリウッド映画ですからね、大丈夫。

『ヨブ記』やゲーテの『ファウスト』みたいなもので、結局のところ、悪魔は神の手の上でやんちゃしているにすぎない。

神のおもちゃにされてしまうヨブの家族やベアトリーチェたちにとっては迷惑な話ではあるが。

ペドロ・アルモドバルはその点さすがである。

『バッド・エデュケーション』は徹底している。
主人公は神父にセクハラされ、10歳の時に信仰を捨てた。
その神父さんが少年時代の主人公を見つめるやるせない目つき!
そして『嘆きの天使』での教師(エミール・ヤニングスが何ともいえずよかった)を思いださせる神父の破滅型人生!
『海を飛ぶ夢』でもそう感じたが、スペインでは教会が映画に対する影響力を持っていないのだろうか。

『バッド・エデュケーション』の最後に、登場人物がどうなったかという説明がある。

これもぶっ飛んでいる。
どういうことかは映画を見てのお楽しみに。

そういえば『コンスタンティン』でもクレジットが終わってから、あるシーンがある。

いやはやハリウッド映画、さすがにそつがない。

コメント
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