黒白(こくびゃく)をつける・・という言い回しがある。申すまでもなく、その行為が間違っているか否(いな)かを明確にする意味である。だが、人の世では曖昧(あいまい)な行為が認められ、善悪どちらも通用しない・・というのが疑問だ。偏(かたよ)れば生き辛(づら)いのが世の中・・ということになる。^^
高校生の息子とその父親が、いがみ合っている。
「そこまで言うなら、黒白をつけようじゃないかっ!」
「ああ、いいよっ!」
父親の勝負に、息子はあっさりと乗った。
「じゃあ、お母さんを呼んできなさいっ!」
「分かった!」
息子は勢いよくキッチンへと消えた。しばらくして、母親と息子が居間へ入ってきた。
「母さん、今夜は石狩鍋だよな」
「石狩鍋ってことはないよ、絶対っ! 鳥スキ!」
「えっ? なにっ? 二人とも違うわよっ! 魚スキ!」
「…」「…」
親子の黒白はつかず、灰色で終った。
まあ、こんな平和な黒白のつけ方なら、大いに望むところで、疑問が生まれる余地はないだろう。^^
完