水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

疑問ユーモア短編集 (22)政党

2020年01月26日 00時00分00秒 | #小説

 政治の話で、誠に申し訳ないm(_ _)m ・・ と先に謝罪しておくのが読者の方々に対し賢明だろう。というのも、私ゃ、そうは思わんっ! と言われれば、それまでだからだ。^^
 いくらいい党でも政権担当が長期に及べば、ボロが出たり腐敗する蟠(わだかま)りが蔓延(まんえん)する。そうした与党に圧力をかけ、正したり奮取(ふんしゅ)することで政権交代するのが野党の立場なのだが、残念なことに我が国には現在、政権担当能力を具備し、なおかつ国民の負託(ふたく)に応(こた)え得(う)る組織の野党がない。昭和40年代のフォーク歌手、メリーホプキンさんの♪悲しき天使♪ならぬ、悲しき事実だが、悲しんでぱかりもいられず、国民は日々を空(むな)しく生きていかねばならないのである。^^ ソチラがダメならコチラへ投票っ!・・という政党の選択肢がないのだ。本来、完成されたデモクラシーにおける政党は、グローバルな政治感で集約化され、政策の違いこそあれ、そうたやすく分裂などはしない。早い話、今の我が国の野党は多くの政策集団に過ぎないのである[与党以外の国会議員の方々、平にご容赦(ようしゃ)をっ!^^]。なぜ集約された政党にはならないのか? という疑問が、ふと浮かぶが、政治家でもない私が兎(と)や角(かく)言う筋合(すじあ)いの話ではないだろう。政治家諸氏の奮闘を期待する以外、打つ手がない。^^
 とある農家の縁側である。日向(ひなた)ぼっこをしながら、二人の老人が話をしている。片田舎(かたいなか)ということもあり、縁側の前には遠景の山々と広大な田畑が広がる。
「今年はまた国政選挙ですなっ!」
「私ゃ、政治など、どうでもいいんですっ!」
「そんな投げ槍(やり)なっ!」
「槍投げでも投げ槍でもいいんですっ! 変らんでしょ!」
「上手(うま)いっ! 大山鳴動して選挙費用のムダ・・ですかっ! ははは…」
「そんなことより、私ゃ、明日の、おしるこっ!」
「ああ、そういや、正月も、はや、小豆粥(あずきがゆ)で終わりますなっ!」
「家(うち)の小豆粥は、毎年、おしるこ仕立てなんですっ!」
「ほう! さよですか…」
「まあ、そんなことはどうでもいいんですが…。今年もいよいよ始まりましたが、いい年になるかは政治次第ですかなっ!」
「はい! 政党に頑張ってもらわんことにはっ!」
「まあ、あまり期待せずに期待するとしましょう!」
「政党には期待せずに期待しますかっ!」
「ははは…まあ、その程度でっ! あくまで、政策集団でない政党ですがなっ!!」
「なるほどっ!」
 政党に期待すれば多くの疑問が湧くから、期待せずに期待するのがいいようだ。^^

 ※ あくまでも考え方には、個人差があります。^^

                                完


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