失敗したとき、どうのこうの[どうたらこうたら]と理由をつけて言い訳をすることがお有りだろう。この理由を、深刻に辛(から)く捉(とら)えて、さも深刻に言い訳するか、あるいは甘(あま)く捉えて、軽く言い訳するか・・によって、その後の怒られ方に差が出てくるのである。学生諸君は、このことに特に耳を欹(そばだ)てて聞いて欲しいものだ。^^
とある普通家庭である。朝から中学生になった長男が母親に怒られている。
「えっ!? そんな訳、ないでしょっ! 旅行に行ったせいで成績が下がる訳がないじゃないっ!! お兄ちゃんは、現に成績が上がってるでしょっ! つまらない理由、つけてんじゃないわよっ!!」
「そんなこと言ったって、下がったものは仕方ないっしょ!」
「… そりゃ、下がったものは仕方ないわよっ! テストの答案、返してもらってから上がる訳、ないんだからっ!」
「だからさっ! 僕はどうしたらいいのっ!?」
「どうしたらいいの!? って、頑張りゃいいのって話よっ! 現に、お兄ちゃんは頑張って、成績上がったんだから…」
「兄ちゃんは兄ちゃん! 僕は僕っ!!」
「そんなとこで開き直ってどうすんのよっ!!」
「別に開き直ってる訳じゃないよっ!」
「なにが、『別に開き直ってる訳じゃないよっ!』よっ! 我儘(わがまま)な子ねぇ~!! 今度、下がったら、お父さんに怒ってもらいますからねっ!!」
「はい、はいっ!」
「返事は一回っ! ったくっ!!」
二人の会話はこうして無事、終結した。
理由は甘辛に関係なく、納得させるものでなければならない。^^
完