目の前に満開の景色があれば、誰も花見を忘れる者はいないだろう。^^ 忘れようとしても、忘れられない景色が目の前にあるからだ。そうすると、いくらもの忘れが進んだお年寄りでも、『こりゃ、花見だな…何か適当に買っていこう!』などと思ったりするはずだ。しかし、目の前に満開の景色がなければ、いくら「お父さん、お花見ですからねっ! 忘れず買ってきて下さいよっ!」と老妻に言われたとしても、「忘れたんですかっ!」となるのが落ちだ。^^
満開の桜の下(もと)、花見が宴(えん)たけなわに繰(く)り広げられている。
「いい具合に咲いてますなぁ~」
「はぁ、いい眺(なが)めです…」
「毎年ですから、花見だけは忘れませんっ!」
「そうそう! 日本には花見があるっ!」
「何がなくても、、花見は出来ますからなぁ~」
「ははは…まあ、酒と肴(さかな)は、あった方がいいですが…」
「ははは…さようで」
花見は忘れることなく、話が盛り上がるのである。^^
完