水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

疑問ユーモア短編集 (5)悪口

2020年01月09日 00時00分00秒 | #小説

 どういう訳か、理由もないのに悪口をいう人がいる。なぜ言いたいか? は疑問だが、とにかく言うことでストレスを発散していることは確かだ。発散する人はいいが、発散される方は堪(たま)ったものではないだろう。この気分はポイ捨てと同じで、家の前に捨てられた人の気分は捨てた人のストレスを貰う形で溜まっていくことになる。それが限界になると、その家の人はそのストレスを発散することになる。ポイ捨てはしないだろうが、なんらかの形で発散するだろう。悪口を言われた人は、別の悪口を言うことで自分への悪口を忘れさせようとする。この現象が続くと、世間は悪口だらけになる訳だ。^^ そうならないためにも皆さん、悪口は出来るだけ言わないようにしよう。もちろん、ポイ捨ても…。^^
 買い物帰りの二人の主婦が立ち話をしている。
「あらっ! そうですの? 私、初めて知りましたわ。まさか芋川(いもかわ)の奥様が…」
「そうですのよ。私も最初、耳にしたときは信じられませんでしたわ。相手がご近所の酢豚(すぶた)さんの旦那さんなんてねっ!」
 二人の気持は同じで、芋に酢豚は合わないっ! という単純な疑問だった。女性の芋川は別として、悪口の矛先(ほこさき)はどうも酢豚らしく、同じご近所のイケメンの青年、刺身(さしみ)なら出なかったのかも知れない。
 何故(なぜ)か? は疑問だが、悪口も対象となる人や物により、悪口が出なくなる・・ということだ。^^

                                完


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