水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

楽しいユーモア短編集 (35)消耗品(しょうもうひん)

2019年10月31日 00時00分00秒 | #小説

 消耗品(しょうもうひん)は傷(いた)めている訳でもないのに無くなるから交換しなければならない。無くなる前に前もって予備品を買っておけば、これはもう、心に余裕かせ生まれ、楽しい気分で過ごせることになる。特に食料品に至っては食べるという楽しい気分が待っているから、特に予備として買っておきたいだろう。^^
 どこにでもあるような、とある家庭の一場面である。楽しい気分で寛(くつろ)いでいたご主人だったが、何を思ったのか突然、アチラコチラと探し物を始めた。ところが目的のアレは、どこを探しても見つからない。
「おいっ! どこへやったっ!」
「なにをっ?」
「俺が、どこへやったって言えば、消耗品のアレに決まってんだろうがっ!」
「なによっ、偉(えら)そうにっ! ちっとも分かんないわっ!」
「馬鹿野郎! 何年、一緒に暮らしてんだっ!」
 先ほどまでの楽しい気分はどこへやら、ご主人の心は俄(にわ)かに湧(わ)き出した黒雲(くろくも)に覆(おお)われるかのように荒れてきた。
「… そうね、かれこれ30年になるかしら?」
「だろっ!? だったら、アレの場所は分かるだろ?」
「? アレってナニ?」
「そうだよ、ナニだよっ!」
「ナニは『予備を買ってきたから、一緒にアソコへ置いとく』って言ってたじゃないっ!」
「? …待てよっ! あっ! そうそう、アソコアソコっ! アソコだっ!」
 荒れた気分の暗雲(あんうん)はたちまち消え去り、ご主人の心にふたたび楽しい気分が訪(おとずれ)れた。
 消耗品の予備にゆとりがあったり、存在場所がはっきりすれば、心は安心感に満たされアレ→ナニ→アソコとなって、楽しい気分に浸(ひた)れる訳である。^^

                                


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楽しいユーモア短編集 (34)待つ

2019年10月30日 00時00分00秒 | #小説

 待つという状況は、いろいろとある。しかも、その状況に置かれた個々の性格によって、展開に大きな差異を生じる。その性格の中でも、特にイライラしやすい気短(きみじか)な人の場合は待ち時間が長いと楽しい気分が損なわれる。そうだから、という訳でもないが、待つという行為は気長(きなが)な人が適しているだろう。^^ だが、そんなことを言ってられない小忙(こぜわ)しい世の中だから、気短な人でも待つことになり、そんな場合は、ややこしいことにならないよう、特に注意が必要だ。^^
 とある朝の駅である。鋤焼(すきやき)は、やっと取れた休暇で旅に出ようと駅へ入った。ところが、どういう訳か、この日に限って予約した特急・鯨(くじら)が崖崩れの影響で運休となってしまった。さあ! 哀(30)れなのは鋤焼である。どうにかならんかっ! と駅の切符売り場に駆け込んだ。
「そう言われましてもねぇ~。起きてしまったことですからっ!」
「それをなんとかするのが君達の仕事じゃないかっ!!」
 鋤焼はグツグツと煮え過ぎて少なくなった鍋汁(なべじる)のように駅員に絡(から)んだ。
「はあ…。ともかく、払い戻しはいたしますから…」
「払い戻しっ!? 払い戻しは当たり前だっ! 私の言ってるのは、この先、どうしてくれるのか! って話だっ!」
「はあ。噴潮(ふきしお)までの代行バスは出ますので、それでなんとか…」
「ほおっ! 代行バスは出るんだなっ!」
「はいっ!」
「それで、どれくらい待つんだっ!?」
「はあ、二時間ばかり…」
「に、二時間っ!!」
「はい…」
「も、もういいっ! 君では話にならんっ! 駅長を出しなさいっ!」
「あいにく駅長は急用のため、一時間前の特急・鴨鍋(かもなべ)で出られました…」
「特急・鴨鍋っ!? 鴨鍋と言やぁ、私が乗る鯨の前の特急じゃないかっ!」
「はあ、そのとおりです。なにせ崖崩れの前でして…」
「そんな馬鹿な話があるかっ! 駅の者が行けて私が行けんという話があるかっ!!」
「そう言われましても…」
 駅員は急に小声になった。
「も、もう、いいっ!! 二時間、待てばいいんだなっ!」
「はい…」
「なら、待ってやるっ! こうなりゃ、なにがどうなろうと待つっ! 待って待って待ちくたびれてやるっ!!」
 男は駅のベンチで怒りながら二時間後のバスを待つことになった。
 気短な人でも意固地(いこじ)にすれば、待つことが可能になるようだ。^^

                                

 


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楽しいユーモア短編集 (33)まずまず…

2019年10月29日 00時00分00秒 | #小説

 世の中で起きる物事は、自分の思うようにならないのが常だ。物事が、七、八割がた上手(うま)くいけば、まずまず…と満足するのがいいだろう。100%思うようにしようとすれば、必ず何らかの軋轢(あつれき)を生むことになる。軋轢はカツレツのような食べるものではない。^^ 摩擦となるトラブルを生む・・といっようなことだ。まずまず…の心得で世を渡れば、思い通りに行かなくても、そう腹も立たずに楽しい人生を過ごせる訳だ。まずまず…は欲望を制御する、いわば車のエンジン・ブレ-キなのである。「美味(おい)しいわよっ!」と自慢たらしく出された奥さんの不味(まず)い料理に、まずまず…と我慢(がまん)する気分とは少し違うように思えるのだが…。^^
 ひと組の中年夫婦が泊まる、とある地方温泉の旅館である。旅行社で格安のクーポンを組んでもらい、旅行に出かけたまではよかったが、どういう訳かうらぶれた温泉で、他の観光客も疎(まば)らで、ほとんどいなかった。それに、どこか薄気味悪い感じがしないでもない。
「なんか、妙な温泉ね。旅館の人も陰気だし…」
「ああ、全然、観光客もいないしな…。まあ、料理は美味(うま)かったし、湯加減もよかったんだから、まずまず…と、しなきゃ!」
「そりゃ、そうだけど…」
「まあ、格安クーポンだから、こんなもんさっ!」
「そうね! こんなもんか…」
 二人は、陰気な温泉を気にしないことで、まずまず…と楽しみ、二日後、帰路に着いた。後々(のちのち)分かったことだが、その温泉は自殺者がよく出ることで有名な温泉だった・・ということだ。まずまず…と楽しい気分で帰れば、訳が分かったからといって、どぉ~~ってこともない訳である。^^

                                


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楽しいユーモア短編集 (32)次の日

2019年10月28日 00時00分00秒 | #小説

 次の日が休みだと、心はウキウキとして楽しい気分になる。いや、なる場合が多い・・と訂正した方がいいのかも知れない。というのも、次の日が休みだとしても、楽しい予定ばかりではないということだ。世間の付き合いの柵(しがらみ)、妻に頼まれた用事の片づけ・・とかいった場合だ。この傾向は独身者より妻帯者の方が格段に大きいようである。次の日が休みでも、ポッカリと何の予定もない・・ということだってある。こんな次の日は、ただの次の日で、味も素(そ)っ気(け)もない日だ。^^ とかなんとか言ったって、それでもまあ、次の日が休みなら、誰だって、なんとなく楽しい気分、いや、ゆったりした気分に癒(いや)されることだろう。この傾向は、学校に通う生徒諸君、懸命に働く労働者諸君すべてに言える。乳児諸君、隠居諸君は、どうなの? ということになるが、…? まあ、そんなところだ。^^
 とある村役場の総務課である。次の日が休みということもあり、どの職員にも、どことなく楽しい気分が見て取れる。
「塩釜(しおがま)さんは明日(あす)、どうするんです?」
「私ですか? 私は鯛釣りですよっ!」
「なるほど! 塩釜さん、だけに…」
「はあ?」
「いや、失礼!」
「そう言われる猪尾(いのお)さんは?」
「私? 私は同窓会の牡丹鍋(ぼたんなべ)で一杯ですっ!」
「なるほど! 猪尾さん、だけに…」
「はいっ?」
「いや、別に…」
 二人の楽しい会話を聞いていた精進(しょうじん)は、『そりゃ、楽しいだろっ! 好きに食ってりゃいいやっ!」と、ちっとも楽しい気分ではなかった。精進さんだけに…となる。^^
 楽しい次の日となるよう、皆さん、頑張りましょう。…頑張るものではないか? ^^

                                


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楽しいユーモア短編集 (31)晴れ

2019年10月27日 00時00分00秒 | #小説

 晴れていれば、なぜか心はウキウキと楽しく、物事が捗(はかど)る。もちろん、雪の日だってウキウキとされる方もあるだろうが、大方(おおかた)は雪合戦の子供時代やスキーの青年時代で、中年以降は雪掻きのひと苦労を思い、ついつい心が萎(しぼ)むのである。雨の日に心がウキウキと楽しくなる人は、まあ少ないか、いないだろう。^^ 要は、屋外での行動が容易かそうでないか・・という点に根ざしているようだ。照る照る坊主は、それを物語る最も分かりやすい例で、雨の日の運動会や遠足が嫌われる訳だ。
 明日は楽しい遠足である。準備万端、整った夜、小学二年の竹坊は、ウキウキと床(とこ)についた。もちろん、リュックや水筒は枕の前に置かれ、目覚ましもいつもより30分早くセットされている。だが、どういう訳か心が躍(おど)って、なかなか寝つけなかった。それでも、『晴れるといいな…』と思いながら、いつしか深い眠りへと落ちていった。
 次の朝がきた。快晴だった。竹坊は心勇んで飛び起きると、楽しい気分で身支度(みじたく)、朝食を済ませ、20分早く家を出た。
「竹坊、どうしたの?」
 お隣(となり)の同級生が怪訝(けげん)に思ったのか、声をかけた。
「なにがっ?」
「遠足は明日だよっ!」
「ええっ~~!!」
 竹坊は急いで家へとUターンした。
 楽しい日にならない晴れの日もある・・という、なんともお粗末なお話である。^^

                                


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楽しいユーモア短編集 (30)愚鈍(ぐどん)

2019年10月26日 00時00分00秒 | #小説

 愚鈍(ぐどん)とは普通、人を小馬鹿にして言う言葉だが、どうしてどうして、愚鈍ほど気楽で楽しいことはないのだ。^^ と、言えば、皆さんは『そんなはずがないっ!』と怒られるかも知れない。ところが、それは事実なのである。^^ というのも、愚鈍な者は、いらぬ気を使う必要がない・・ということだ。『あっ! そうでしたか?』と訊(き)き返すほどの愚鈍ならば、剛(ごう)の者と言ってもいいだろう。^^ 人に馬鹿にされる愚鈍だが、結局のところ、利口な者より、より以上に利口ということになる。理由は、苦も少なく、楽しく生きられるからだ。^^
 子供を対象とした真夏の肝(きも)試(だめ)し大会が行われている。二人ひと組で深夜の墓地へ行って戻(もど)るというものだ。行ったという証拠(しょうこ)は墓地に前もって置かれた認定証で、それを持って帰ることで分かる・・というルールだ。
「ちっとも怖(こわ)がらないけど、お前、怖くないのか?」
「全然! それよか、むしろ涼(すず)やかなくらいです」
「変ったやつだな。俺なんか、途中でやめよう…と思ってんだ、実は…」
 墓地が近づくにつれ、クラスで一番、利口な子供は、クラスで一番、愚鈍な子供にそう告げた。
「あっ! それなら、ここで待っていて下さい。僕が行って認定証、持ってきますから…」
「そうか? 悪いなっ!」
 小一時間、経って、愚鈍な子供は墓地に置いてあった認定証を二枚、持って帰ってきた。
「帰りました…」
「こ、怖くなかったか?」
「全然! それどころか、幽霊さんと話をしてきたくらいです。暑い夜ですから、ちょうどいい気分です、ははは…」
 それを聞いた利口な子供は、墓地でもないのに恐怖で足が竦(すく)み、そこから一歩も動けなくなった。その結果、大会本部へ楽しい気分で戻(もど)ったのは、愚鈍な子供一人だった。利口な子供は半時間ばかりして這(は)うようにそのまま家へ帰ったそうだ。
 愚鈍が利口に勝(まさ)る・・という、ほんの一例の楽しいお話である。^^

                                


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楽しいユーモア短編集 (29)愚痴(ぐち)

2019年10月25日 00時00分00秒 | #小説

 自分が話しているときは、そうは思わないが、他人が話していることを耳にすると嫌になる・・というのが愚痴(ぐち)である。「また愚痴、零(こぼ)してるわっ!」などと楽しい気分を害されたように影で囁(ささや)かれる訳だ。^^ まあ、聞けば気分がよくないのは確かだ。
 とある会社の社員食堂である。昼時だということもあり、大そう込んでいる。
「チェッ! 今日はアジフライ定食、ないのかっ!」
 一人の社員が食券売り機に灯(とも)ったオレンジランプを見てボソッと愚痴った。
「別にサンマフライ定食でもいいじゃないかっ!」
「いや! サンマフライは、いかんっ! サンマは焼いておろし大根かレモンで美味(おい)しく食べるもんだっ!」
「そうなんだ…」
 返された同僚社員は、『そんなの、誰が決めたんだよっ!』とは思ったが、口にはせず思うに留(とど)めた。すると、そこへ食堂のおばちゃんが現れた。
「あらっ! また、点いてるわっ! 故障かしら? すみませんねぇ~、アジフライ定食できますっ!」
 それを聞いた途端、愚痴った社員の顔にオレンジランプが灯り、笑顔になった。
 愚痴は愚痴る内容が消えると楽しい笑顔になる・・という当たり前の馬鹿馬鹿しいお話である。^^

                                


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楽しいユーモア短編集 (28)段取(だんど)り

2019年10月24日 00時00分00秒 | #小説

 段取(だんど)り・・とは、何もスポーツや棋界の昇段を目指す段のことではない。物事がスムーズに進むように事前にアレコレと手筈(てはず)を整えることで、算段(さんだん)するとも言われる。段取りが上手(うま)く出来ているとどうなるか? だが、知れたことで、物事は順調に進み成功する。成功すれば、当然、楽しい気分になる・・と、まあこうだ。段取りが悪ければ、これも当然、物事は順調にいかず、楽しい気分どころかイライラした気分になるから注意が必要だ。^^
 とある小学校の放課後の運動場である。明日、運動会の予行演習が行われる予定になっている。そのためのグラウンド整備に整備委員が残り、ライン引きで白い石灰パウダーの線をグラウンドに引いている。
「この、ひと手間(てま)が大事なんだよなっ!」
「そうそう! 僕達は影の立役者(たてやくしゃ)なんだっ!」
「立役者? 立役者って?」
「立役者っていうのは、立って仕事をする偉(えら)人のことさっ!」
「段取りをつけるから偉いのかな?」
「たぶん…。父ちゃんがこの前、歌舞伎を観に行った帰りに、そう言ってたっ!」
「ふ~~ん、そうなんだ…」
 作業を見守っていた教師は、『ははは…そりゃ、違うぞっ!』とは思ったが言わず、楽しい気分で心に留めた。
 段取りは意味が分からなくても、上手くやってしまえば楽しいから、それでいいのだ。^^

                                


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楽しいユーモア短編集 (27)予備

2019年10月23日 00時00分00秒 | #小説

 何がっ? という訳ではないが、物は予備があった方が困らずに済むから都合がいい。都合がよければ、テンションは自然とアップすることになり、楽しい気分が訪(おとず)れる。予備を置いておけば、もう一方が無くなったときすぐ使え、都合がいい・・と、まあ、こんな具合だ。『チェッ! 切れたかっ!』とダメになった電球を眺(なが)めたとき、すぐに予備と交換できれば何の問題も起こらず、楽しい充実感に満ち溢(あふ)れることだろう。決めごとではないそうだが、おおよそ、その道の通(つう)は、予備を置いておくらしい。^^ 使っていたモノが使い終わったりダメになったとき、スゥ~~っと予備を出せば、だいいち、格好がいいっ! ^^
 日曜の昼前である。とある普通家庭のサラリーマンが冷蔵庫を開け、探し物をしている。
「おいっ! ここに入れといた天カス、知らないかっ!?」
「天カス? 知らないわよ。どこか別の場所に入れたんじゃないっ?」
 妻は、この前、使ったんじゃないのっ!? という顔で亭主を一瞥(いちべつ)し、テニス風にフォアハンドのリターンエースで返した。
「そうかぁ~? …妙だなぁ~。あの天カスを入れると、美味(うま)い焼き蕎麦(そば)が出来るんだが…」
 妻は美味い焼き蕎麦と聞くと、俄(にわ)かに気分が急変した。
「ああ! あの天カスならこの前、使ったでしょ。でも、予備を買っておいた・・とか言ってたんじゃないっ?」
「ああ、そうそう! 予備をパーシャル冷凍にしたんだった。…あった、あった!」
「でしょ!」
 亭主は予備に買っておいた天カスを出すと、調理を続けた。『やれやれ、助かった!』という気分である。しばらくすると、焼き蕎麦の香ばしいいい匂いが辺(あた)りに漂(ただよ)った。その後、二人は美味(おい)しい焼き蕎麦を賞味し、楽しい気分になった。
 予備があれば、話は丸く収(おさ)まり、楽しい気分が訪れるのである。^^ 

                                


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楽しいユーモア短編集 (26)未然(みぜん)

2019年10月22日 00時00分00秒 | #小説

 よからぬことを未然(みぜん)に防ぐ・・などと、よく言う。未然とは、まだそうなっていない状態・・くらいの意味だが、どういう訳か、先々に起こるに違いない悪いことを連想させ、その予防手段や措置を講ずるよう注意を喚起(かんき)する場合によく使われる言葉である。例えば、台風が接近していますっ! などと国民に注意を促(うなが)し、未然に備(そな)えを…などとアナウンサ-や気象予報官が、いい声で口をすっぱくして報道するアノ類(たぐ)いだ。決して、すっぱいレモンなどの柑橘類(かんきつるい)を口に含んでいる訳ではない。^^
 台風が迷走した挙句(あげく)、疲れながら北上して消えた。台風も台風なりに妨害(ぼうがい)を受けるのだ。^^
『フフフ…暴(あばれ)れてやるぜっ!』と、気分的に悪ぶって威勢がいい台風だが、そうはさせまいとっ! 張り出す高気圧や気流の流れがあり、そうした妨害を未然に防ごうと迷走することになる。挙句の果てにはすっかり衰えて、『もう、いいっ!!』と、勢力を弱め[精力ではない^^]、温帯低気圧になって消え去る・・という道を辿る。
 二人のご隠居が縁台将棋を指しながら話し合っている。
「今回は助かりましたなっ!」
「ですなっ! 今年は立て続けに三度ですよっ! いくらなんでも三度は多いっ! 少しは遠慮ってもんがっ!」
「随分(ずいぶん)、怒られますなっ!」
「ははは…まあ。怒ったところで、未然に防ぐには限界がありますがな…」
「さよですなっ!」
「解決策は災害がないところで未然に暮らすことですが…」
「暮らせればっ! の話でしょうな…」
「れば…レバ…レバー…レバ韮(にら)炒(いた)めは美味(うま)いですなっ!」
「塩味が薄く効いた韮 雑炊(ぞうすい)も美味いですぞっ!」
「… … はいっ!」
 悪い内容は楽しい気分で(おい)しく食べることにより、未然に防げるようだ。^^
 
                                


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