水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

愉快なユーモア短編集-100- 愉快

2018年11月30日 00時00分00秒 | #小説

 人生、すべて愉快に過ごせるに越したことはない。そんな天上にいるような美味(おい)しい人生がある訳もなく、どんな人にも程度の差こそあれ、向かい風の障害が立ちはだかる・・としたものだ。えっ!? 私は無いよっ! というお方は神さまか仏さまに違いない。^^ ただ、不愉快なことも愉快にする方法はあるにはある。その方法を知らないから、人は一喜一憂(いっきいちゆう)し、試行錯誤(しこうさくご)を繰(く)り返すのである。その結果、堕落(だらく)する者、向上する者、いろいろな人生に分かれることになる。愉快は不愉快×不愉快=愉快という数式で成立するのだが、これはどういうことなのか? を具体例でお分かりいただきたいと思う。^^
 とある公会堂である。招待された講演者が多くの聴衆を前に熱弁をふるっている。
「… ということでして、私は相変わらず、かような地位に甘んじているのでありますっ!」
 会場から、ドッ! と笑声と拍手が湧き起こった。
『それでいいじゃないですかっ!』
 笑声のあと、会場から小さな声が講演者をめがけて飛んだ。
「あ、ありがとうございますっ! 不愉快だった私ですが、皆さまの賛同(さんどう)を得たようで、愉快になりましたっ! ははは…」
 この例は何を物語るか? だが、講演者に賛同した聴衆も講演者の話を聴き、不愉快に思えたのである。要は、不愉快×不愉快=愉快という数式が定理される訳だ。^^ ある種、-(マイナス)効果同士の慰(なぐさ)め合い・・とも取れるのだが…。^^ 
 もう一つ、具体例を挙(あ)げてみよう。挙げなくていいっ! と思われる方は、揚(あ)げたての串カツを頬(ほお)張りながら一杯やっていただいていればいい。^^
 とある屋台で二人の客がいい気分で飲んでいる。
「えっ!? んっな馬鹿な話があるかっ!? 俺は昔からいる生(は)え抜きだぞっ!」
「そら、そうだっ! 俺だって、生え抜きだっ! あんな若僧(わかぞう)に先を越され、黙って働けるかっ!」
 二人はそう言ったあと、急に押し黙り、咽(むせ)び泣きを始めた。
「ぅぅぅ… でもな、働くしかないかっ!」
「だなっ! ぅぅぅ…」
 そのあとしばらくして、屋台に笑声が起きた。
 このように、不愉快なマイナス×不愉快なマイナスは愉快なプラスの効果を生むのである。^^

                                 


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愉快なユーモア短編集-99- 探す

2018年11月29日 00時00分00秒 | #小説

 何げなくやっていると、ふと物忘れすることがある。集中力を欠いた結果なのだが、当の本人はやっている途中でそのことに全(まった)く気づいていないから、終わったとき困ることになる。何げなくやってしまう・・その本人の軽い所作に問題があり、さて、どこへやった? と、右往左往(うおうさおう)して探す訳だ。なかなか見つからず、すっかり予定が狂ってしまうことにもなりかねず、この軽い行動パターンは悔(く)い改めねば偉いことになる。
 一人の老人が、あれこれと公園の中を探し回っている。何を探しているのかは当の本人以外は分からない。そこへ、もう一人の老人がリールに繋(つな)がれた犬を連れ、散歩に現れた。
「ほう! 何かお探しですかな?」
 通りかかった老人はリールを木に括(くく)り、探す老人に近づくと訊(たず)ねた。
「やあ、これはお隣のっ! 実はかけていたメガネが見つからんのです。先ほどまでペンチで本を読んでおりましてな。落とす訳がないんですが…。はて? 弱った…」
「ははは…メガネですかな? メガネはありますぞ、頭の上に」
 散歩の老人に指をさされ、探していた老人は思わず頭へ手をやった。
「ああ! ありましたっ!」
「ははは…よくあることです。では…」
 老人は歩き出したが、木にリールを括りつけたことをすっかり忘れていた。
「? おやっ!」
 散歩の老人は犬を探す破目になった。
「犬ですかな? 犬はアソコに…」
「ああ! どうもっ!」
 慌(あわ)てながら散歩の老人はリールを括った木の方へあと戻(もど)りした。
 集中力が途切れると探すことになるから注意しよう。^^

                                 


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愉快なユーモア短編集-98- ほどほど

2018年11月28日 00時00分00秒 | #小説

 なんといってもこの世は、[ほどほど]が生きやすい。風呂の湯でいえば、好みの差こそあれ、熱(あつ)過ぎもせず、かといって温(ぬる)過ぎもしないという[ほどほど]加減が快適に浸(つ)かれ、ホッコリできる目安(めやす)だ。当然、愉快な気分にも浸(ひた)れるというものである。^^
 ダラァ~~と気楽に生きるのもいいが、それも程度ものだ。逆に、四角四面にキッチリ! 生きるというのは、肩が凝(こ)って疲れてしまう。そうなれば、[ほどほど]の出番となる。^^ 餅(もち)でもパスタでも、さらにうどんや蕎麦(そぼ)でも、[ほどほど]の歯ごたえがいいに決まっている。
 選挙後のテレビ番組で評論家が思うところをぶちまけている。どこか、思い通りにならなかった結果の憤懣(ふんまん)を愚痴(ぐち)っている感がしなくもない。
「そうおっしゃいますが、予想どおり、[ほどほど]の結果になりましたよね」
 アナウンサーが宥(なだ)めにかかる。
「馬鹿を言わんで下さいっ! どの辺が[ほどほど]なんですっ!? あなたが言われる[ほどほど]とは、どんなのですかっ!? 誰が見たって保守系の独走じゃないですかっ!」
「まあまあ、そう興奮なさらず、[ほどほど]に…」
「そら、そうですが…。それにしても、今回の結果は[ほどほど]じゃなかったですよっ、どうみてもっ!!」
 解説者は益々(ますます)、意固地(いこじ)になり、「ほどほど」から遠退(とおの)いた。
 ほどほど・・というのは、簡単なようでなかなか難(むずか)しいのである。^^

                                 


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愉快なユーモア短編集-97- 出世

2018年11月27日 00時00分00秒 | #小説

 出世は大事なのだろうが、かといって家族を犠牲(ぎせい)にしてまで達成せねばならないものではない。古くは万葉集に山上憶良が、━ 銀(しろがね)も 金(こがね)も玉(たま)も 何せむに 勝(まさ)れる宝(たから) 子に及(しか)かめやも ━ と詠(よ)んだ和歌と言わんとするところが似通(にかよ)っている。出世は家族が栄え、生活も安定した上で、出来れば…くらいの軽い気分でよい訳だ。加えて健康も大事だ。格言めいて言われる ━ 生きているだけで儲(もう)けもの ━ ということである。^^
 家族を犠牲にして大臣という地位にまで出世したとある代議士が受託(じゅたく)収賄(しゅうわい)の疑いで地検特捜部に逮捕(たいほ)された。
 とある代議士が取調べを受けている。
「そんなに出世したいですかぁ~? 私なんか、ずっと平(ひら)検事のままでいいと思ってるんですがねぇ~。聞くところによれば、あなた、奥さんにまで見限られたんでしょ?」
「放っといて下さいっ! ソレとコレとは話が別でしょ!!」
「果たして、そうですかねぇ~。私は家庭を捨ててまで出世したくない派ですから。ははは…」
 出世した結果、いろいろ起きるのだとすれば、出世せず、人生を平凡に過ごす方が得策(とくさく)なのかも知れない。^^

                                 


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愉快なユーモア短編集-96- 用心

2018年11月26日 00時00分00秒 | #小説

 ♪マッチ一本、火事の元ぉ~ 火の用心、ご用心~♪ チョンチョン チョチョ~~ン[拍子木(ひょうしぎ)の音]♪マッチ一本、火事の元ぉ~ 火の用心、ご用心~♪ チョンチョン チョチョ~~ン[拍子木の音] …
 遠い記憶ながら、子供時代、拍子木を叩(たた)き、手提灯(てぢょうちん)を持ちながら、数人で村の家々近くの道を巡った記憶がある。その頃を知られる皆さんには、そんな懐(なつ)かしい記憶はお有りだろうか?^^ 長閑(のどか)だった昭和三十年代前半の話だから、今の時代にはそぐわないかも知れない。だが、殺伐(さつばつ)とした今の時代だからこそ、火の用心に限らず、用心はより以上に必要だ! とも言える。一度(ひとたび)、家を出れば、交通事故、オレオレ詐欺etc.枚挙(まいきょ)に暇(いとま)がないほどの用心が必要なのだ。
 老人が一人、寂しそうにトボトボと歩いている。そこへ、自転車で交番の巡査が通りかかった。
「おじいさん、どうされました? なんか、元気なさそうですが…」
「はあ、そりゃもう、元気も出ません。この前、新しく買った自転車で町へ出たのはいいんですが、盗(と)られました」
「なにを?」
「なにを? ってあなた、もちろん自転車をっ! ですよっ!」
「そりゃ、お気の毒なことで…」
「用心して、二重(にじゅう)に鍵をかけたんですけどねぇ~。悪いのがいますねぇ~」
「はい、今の時代ですから…」
「ですから、歩くことにしたんですよ。私の足までは盗りゃ~しないでしょうから」
「ははは…それはないでしょうが。それじゃ、お気をつけて…」
 巡査はギコギコと古い自転車を漕(こ)ぎ始めた。そのときである。老人が躓(つまづ)いて転(ころ)んだ。
「どうされましたっ! 大丈夫ですかっ!!}
 巡査は振り返りると、慌(あわ)てて自転車を止め、老人へ駆け寄った。
「ははは…大丈夫ですっ!」
 老人は、すぐ立ち上がった。
「よかった! お足元、注意して下さいよっ!」
「老いには勝てませんなっ! ははは…足を盗られましたよっ!」
 二人は愉快な笑い声を上げた。
 用心しても盗られるときは盗られるようだ。^^

                                 


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愉快なユーモア短編集-95- 手前味噌(てまえみそ)

2018年11月25日 00時00分00秒 | #小説

 その行動が法律に触れていない以上、誰にも人の自由な行動を妨害(ぼうがい)する権利はない。それは明らかに犯罪と看做(みな)される。自由な行動を妨害する人は間違った手前味噌(てまえみそ)な考えに左右されている場合が多い。手前味噌な考えとはその本人独特の考えで、多くの他人がそうとは考えない場合もある考えなのである。だから、考えが正しいなら、多くの人はその考えに賛同するから、手前味噌とは言わない。他人が手前味噌と言うのは、大部分が一種独特の世界観で、普通一般の常識を逸脱(いつだつ)している場合である。
 二人のサラリーマンが中華飯店で昼の食事をしている。
「ほう! 君は味噌ラーメンにソースをかけるのかいっ?」
 先輩が後輩サラリーマンを見ながら、訝(いぶか)しげに訊(たず)ねた。
「はあ、僕はいつもこうですっ! これが美味(うま)いんですよっ! 先輩もどうですか?」
「ははは…私はいいよっ!」
 先輩サラリーマンは変わった手前味噌なやつだな…とは思ったが、口には出さず思うに留(とど)めた。それもありか…とも思えたからだ。そこへ厨房(ちゅうぼう)から店主が何やら持って現れた。
「へい、おまちっ! いつものやつだよっ!」
「ああ親父(おやじ)さん、ありがとっ!」
 店主が手にしていたのは白髪葱(しらがねぎ)が入った器(うつわ)だった。
「ははは…ただですから、好きなだけ乗っけて下さいっ!」
「いつも、すいませんっ!」
 店主が厨房へ引っ込むと、後輩は白髪葱を味噌ラーメンの鉢(はち)へテンコ盛り乗せた。
「そんなにっ!?」
「ははは…これがまた美味いんですよっ! 先輩もどうですっ!」
「いや、俺は…」
 愉快な顔で悪びれもせず食べ始めた後輩を見て、先輩サラリーマンは、この手前味噌は直らんな…と諦(あきら)めた。
 手前味噌は愉快な手前味噌もあるのである。^^

                                 


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愉快なユーモア短編集-94- 雨の日

2018年11月24日 00時00分00秒 | #小説

 地上から見れば、雨の日は曇(くも)ってシトシトと雨粒(あまつぶ)が大地へ降り注(そそ)ぐ。だが、雨の日は、どこでも雨が降っているのか? と問えば、実はそうでもない。その証拠(しょうこ)を示すのが、高山へ登って見られる御来光(ごらいこう)である。雲海(うんかい)を突き破るかのように昇るお日さまの光は、待つ者をして崇高(すうこう)で清々(すがすが)しい気分にさせる。もちろん、眺(なが)める者の天空は青空で、薄雲(うすぐも)くらいはあるかも知れないが、快晴のはずだ。よしんば、ガス雲で見えないとしても、ガス雲の上は晴れているのである。ただ、人々が晴れていることを実感出来ないだけなのだ。天文学的に宇宙から見れば明確で、とめどなく太陽の光は地球の大気圏へと降り注ぎ続けているのである。
 買い物帰りの二人の主婦が歩きながら話をしている。
「よく降りますわね…」
 痩(や)せぎみの主婦が空を眺(なが)めながら言う。蝙蝠傘(こうもりがさ)の色合いが年齢に合わずド派手だ。
「ほんとっ!」
 太りぎみの主婦が、釣られるように相槌(あいづち)を入れる。身に着けたネックレスがド派手で似合わない。
「雨の日は、なにをなさっているのっ?」
 急に突拍子(とっぴょうし)もない質問が飛ぶ。予想外の質問に太りぎみの主婦は返せず、一瞬、躊躇(ちゅうちょ)する。
「… 雨の日は、雨の日でしょ? いろいろありますでしょ?」
 太りぎみの主婦は上手(うま)く暈(ぼか)して切り返す。
「ええ、まあ…」
 それで二人の会話は沙汰止(さたや)みとなった。
 雨の日は愉快なことに、いろいろあるのである。^^

                                 


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愉快なユーモア短編集-93- あの頃

2018年11月23日 00時00分00秒 | #小説

  誰にだって過ぎた過去のいい記憶はある。もちろん、悪い記憶だってあるにはあるだろうが、妙なことに、ふと、心を過(よ)ぎるのは、いい記憶なのだ。そうだ、あの頃…とニヤつきながら思い出す訳である。だが、他人はそんな心中は露(つゆ)ほども分からないから、変な人だな…と、ニヤつく人物を訝(いぶか)しげに窺(うかが)うことになる。よかったあの頃に浸(ひた)るのは時と場合や場所を考えねばならないのだ。^^
 二人の元プロボクサーが、あの頃に浸りながら話をしている。
「ははは…あの頃は、よかったですよ。皆さんにチヤホヤされっ!」
「そうそう! 女房(にょうぼう)までチヤホヤでしたよっ! 晩のオカズもよかった!」
「ははは…そうでした、そうでしたっ!」
「あの頃のあなたは強かった! 私は確か…あなたに負けましたねっ?」
「いや、そんなことはないでしょ! 確か、私の方が負けたと…」
「いやいや、そんなことはないっ!!」
「いやいやいや、確か、そのはずですっ!!」
 二人のボクサーは見解の相違で不貞腐(ふてくさ)れた。だが、二人とも間違っていた。あの頃、二人は一度も対戦していなかったのである。^^
 あの頃の記憶違いは愉快なことに怖(こわ)い。^^

                                 


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愉快なユーモア短編集-92- 待ったなしっ!

2018年11月22日 00時00分00秒 | #小説

  待ったなしっ! ・・この言葉は、相撲の世界でよく行事さんが厳(きび)しくガナっておられる[失礼!^^]言葉だが、なにも相撲の世界に限った言葉ではない。口にするかしないかは別として、現実の社会でも、すべてが待ったなしっ! なのである。
 仲のよい近所の老人が縁台(えんだい)で将棋を指している。
「待ったなしっ!」
「いや、それはっ…」
「ダメ、ダメっ!」
「そこをなんとか一つ…。昼の蕎麦(そば)、奢(おご)りますから…」
「ははは…蕎麦くらいではっ!」
「それじゃ、鰻重(うなじゅう)ではっ!?」
「もう、ひと声っ!」
「じゃあ、そのあとの甘酒もおつけしましょう!」
「よろしい! では、一回だけですぞっ!」
 それを見ていた孫が呟(つぶや)いた。
「待ったなしっ! なのに?」
 二人は罰(ばつ)悪く、押し黙った。その二人を見ながら、孫は愉快な気分で茶目っ気たっぷりに笑った。
 子供は大人以上に、待ったなしっ! が鋭(するど)く分かっているようだ。^^

                                 


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愉快なユーモア短編集-91- 謎(なぞ)

2018年11月21日 00時00分00秒 | #小説

  最近のテレビ・・といっても、もうかなり以前からだが、サスペンスとか事件もののドラマが多く放送されている。謎(なぞ)が謎を呼ぶドラマの展開に、視聴者は興味が湧き、その先の結末をゾクゾクする気分で心待ちしているのである。まあ、心待ちせず、他チャンネルの野球やサッカー中継を観たいっ! と思われる方も多いだろう。野球やサッカーでは謎は呼ばない。謎は呼ばないが、先の展開を知りたい…と思う心は同じはずである。
 近所の二人が立ち話をしている。
「あの先、どうなりました?」
「ああ! そういや、携帯が入って帰られましたな」
「はいっ! 実は急の来客で…」
「そうだったんですか。いや、あのあと、撃たれましたよっ!」
「ええっ、打たれたんですかっ!」
「ええ、撃たれてお陀仏です」
「お陀仏でしたか…」
「そうなりゃ、謎が謎を呼びますな?」
「? 別に呼ばんでしょ? 打たれたなら、サヨナラ負けですから…」
「? いや、いやいやいやっ! 実はあのあと、うちの嫁がサスペンスに変えましてなっ!」
「なんだっ! ということは?」
「はい、私も試合の行方(ゆくえ)は知らんのです」
「ははは…謎が謎を呼びますなっ!」
「ははは…確かにっ!」
 二人はダジャレに愉快な気分となり、笑った。
 謎は小さな子供が訊(たず)ねるように、すぐ湧くのである。^^

                                 


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