詩集「軌跡」(抜粋)
①バチルス銀星雲((詩集「水晶」より)
やがての星雲悔恨を指摘するのか
吐息のとばしりが
EARTH・・・これに 瑪瑙、真珠石の輝きを付与して
渦巻いているのです
②史刻
山は地の発音を欺かない
海は人の緩和を拒まない
嘆こうと 歓ぼうと
そこへ行けば
二つはそこに厳然とある
・・・・・・・ただある
一・八・二〇(一・九・四補正)
③誘(いざな)い
そのとき 冷たい風は停滞(とどこお)っていた。
雪群は 細粒に舞っていた。
恐竜の姿の中に 人の気配は幾つかあった。
衣(ころも)の暗闇の黒が 白に散りばめられて
白犬の仕事を 救うかのように
足は向かっていた。
心の命ずるままに。
六十三・十二・十六