かぶりつきで見てしまった

ストリップ劇場に行った話ではない。三回目のＭＡＬＴＡのライヴへ行った話しだ。年末にビルボードライブ大阪（大阪ブルーノート改め）から、お年玉優待企画の葉書が送られてきた。その中に日本デビュー「２５周年」！円熟のサックス・プレイヤーＭＡＬＴＡが１／２３（水）・１／２４（木）の二日間出演と記載されている。チケットの値段が、通常７，５００円のところ半額の３，７５０円だ。こんなに安ければ、聴きに行かねば損だ。２３日は水曜日で、麻雀で脳トレをせねばならないので、木曜日を選び予約した。ジャズファンであれば、世界的サックス奏者と言われているＭＡＬＴＡはよくご存知のはず。日本で活躍をしているサックス奏者は、１３５人ほどいる。誰もが知っているのは渡邊貞夫だが、ＭＬＴＡも５本の指に入るのではと思っている。須川展也、北村英治、角田健一、なども超大物・一流プレイヤーと呼ばれているようだ。ＭＡＬＴＡは私の母校、倉吉東高校の５年後輩になる。先輩、後輩はそれこそごまんといるが、唯一皆さんに自慢できるミュージシャンだ。「ＭＡＬＴＡは俺の後輩だ」と人様の前で言いたくなるくらいだ。電話で予約したとき、係りの方が「開場は１７時３０分なので、それまでに受付に来ていただくと受付番号順（私は１２番）に良い席を確保できます」とのことだった。ビルボードライブ大阪は、大阪梅田のハービスプラザの地下にあるが、地下にもぐれば場所が 定かでなくなる。今夜も２度聞きようやく会場へたどり着いた。早く行ったお陰で、優待者の席は確保されていて好きな場所を選べた。どうせ座るならストリップ劇場と同じで、かぶりつきに限る。４人掛けのテーブルであったが「一人で自由にお使いください」と案内のお嬢さんが言ってくれた。舞台と テーブルはくっついているので演奏者：ＭＡＬＴＡとの距離は１メートルだ。開演まで１時間ほどあり、アサヒプレミアム熟撰ビール（８９０円）、オマール海老とホタテ貝柱のパイ焼き(１，６８０円）、前菜の盛り合わせ(２，０００円）を注文した。
出てきた料理は、女性が喜びそうな盛り付けだ。少食の私はこれくらいで丁度であった。周りを見渡せば一人で来ている人はほとんどいない。中年のアベックと女性同士が圧倒的に多かった。皆さん楽しそうにおしゃべりしながら食事をしている。一人で黙ってビールを飲み、もくもくと料理を口に運ぶ姿は、さまにならない。おしゃべり相手が現地調達出来ればいうことはないのだが・・・。ファーストステージは１８時３０分から始まり１時間少々のライヴであった。そばで見るＭＡＬＴＡはマメタンクのようだった。背は高くはないが、普通の人に比べ足が若
干短めだろうか。胴の長さは変わらない。ＭＡＬＴＡとの距離が余りにも近いので、息使いもこちらに伝わってくる。指の動きも見ていて飽きない。何といっても、ささやくような音色から魂を揺さぶるような激しい音は、ジャズを知らない私でも感動した。「愛を伝えるのが音楽なんだよ！」とＭＡＬＴＡは言っている。演奏した曲目は１０曲程度であった。すべて横文字の曲目なので覚えきれない。覚えているのは「マンハッタン・イン・ブルー」「イブニング・カーム」くらいであとはオボロ。かぶりつきの特典は、最後にＭＡＬＴＡと少しばかり話せて握手も出来たことだ。勿論「私は貴方と同じ高校だよ」は言っておいた。次回行けばきっと覚えていて、くれることだろう。
【サックス奏者　MALTAの豆知識】
１．鳥取県倉吉市出身。13歳よりサックスを吹き始め66年より故・阪口新氏に師事。73年、東京芸術大学卒業後、8月バークリー音楽大学留学のため渡米。76年同校卒業後、1年半同校
1973年、東京芸術大学音楽学部器楽科卒業。バークリー音楽院に留学。
1976年、バークリー音楽院卒業。
1979年、ライオネル・ハンプトン楽団のコンサートマスターに就任。
1983年、デビュー・アルバム『MALTA』を発表。
1987年、アルバム『SPARKLING』で第一回日本ゴールド・ディスク大賞に輝く。
1988年発売の『HIGH PRESSURE』は、全米発売にもなり大ヒットアルバムとなる。現在、29枚のアルバムを発売するとともに、雑誌への連載、自叙伝・教則本の出版、「全日本高等学校選抜
吹奏楽大会」で審査員を務め、“マルタ賞”を設立。2004年1月21日、自身初となるJAZZアルバム『MANHATTAN IN BLUE』を発売。（★Swingjournal選定【ゴールドディスク】）。3月24日、
同アルバムの高音質版XRCD24も発売となる。最新作は2004年12月8日発売のシーズン・ベスト第2弾『WINTER BEST』。
２．ＭＡＬＴＡは本名が丸田良昭で昭和２４年生まれの５８歳である。生まれは鳥取県倉吉市小鴨（おがも）で酒屋の次男坊だ。高校では応援団長、生徒会長それに柔道初段の腕前である。
３．2002年から「倉吉天女音楽祭」を開催し、総合プロデューサーを務めている。 この音楽祭のために結成された地元の吹奏楽団などとＭＡＬＴＡとのジョイント演奏も行われる。
【逸話】
嫌いなミュージシャンに毒舌を吐くことでも知られる。NHKの音楽番組で共演したBUCK-TICKに「カッコイイと思ってるうちが華」と発言し、後々までBUCK-TICKメンバーやファンから叩かれた。