10月30日(木曜日)
弟六十回正倉院展の招待券を、新聞販売店からもらったので見学に行った。家から奈良公園まで約20キロで、30分少々で着いた。平日なので、どこでも駐車できると甘くみていたが公営の駐車場はどこも満車だ。ウロウロしてようやく個人の駐車場をみつけ預けた。料金は1,000円也。
奈良公園の少し手前であれば、500円で駐車できる所があったのに後の祭りだ。公園には東大寺はこちらなどの看板が立っているが、正倉院展はどこでやっているかそんな看板はない。ボランティアの方に聞けばあっちと指を指
す。地下歩道を歩いて奈良国立博物館を印した所の出口を出たら、鹿が早速に出迎えてくれた。そして奈良国立博物館は目の前だった。本館の入り口に行くと入館料は500円表示で、確か1,000円のはずと思い係りの女
性に尋ねた。正倉院展は隣の新館だった。新館の前には沢山の人が行列をしていて、立て看板には「待ち時間20分」が表示されている。ほどなく「待ち時間15分」に変わったので並んだ。流れは以外とスムースで10分ほどで入館できた。
関西に住んで45年になるが、正倉院展には一度も行っていないのでわくわくしながら見て回った。今回の展示は奈良時代(8世紀)の聖武天皇と光明皇后ゆかりの品物を中心とする9,000件以上の宝物の中の69件が展示されていた。
遣唐使が持ち帰った貢物の白瑠璃碗(カットグラスの碗)は、最古の正倉院宝物のようだ。調度品の盆、器、装飾品、巻物、アクセサリーをぶら下げる紐類もあった。何でこんなものまで思う「テンのミイラ(虹龍(こうりゅう))」には驚いた。とにかく人人人で、ゆっくりと鑑賞なんてできはしない。約30分ほどで見終えた。館内は撮影
禁止なので画像が無いのがちょいと寂しい。階下に下りると野点をやっていたので、500円を払いお菓子を食べて抹茶をズズッと吸った。天気は良し、池を眺めながら飲むお茶は最高だ。横に可愛い子ちゃんがいればもっといいはず。接待は着物を着た昔のお嬢さんばかりだが、皆さんさすがというか年の功で品がある。
その後、庭の茶室八窓庵を見学したが、茶室の出入りは小さい小窓からもぐらねば入れない構造と見受けた。どうして扉がないのだろう。窓は名前の通り8箇所あった。新館と本館の地下通路には、催し物のグッズがたくさん販売されてい
た。皇室のカレンダー1,000円也。入場者で手に日の丸の小旗を持っている人を何人も見たが、こんな方が購入するのかも。
本館も招待券で見学ができ、ここは木彫りの仁王像ばかりだった。家を出たのは正午過ぎで帰宅したのは4時前。久しぶりの奈良だったのにもっと遊べばよかった。反省・・・。
正倉院展は11月10日までで、午前9時から午後6時まで。ただし10月31日(金曜日)は午後7時までだが、入館は閉館30分前なのでご注意を。
とにかく土、日、祝日は混雑は間違いなし。平日の夕方4時過ぎからであれば、ゆっくり観覧できるだろう。昨年まで700万人ほど入場しているので、会期中に12万人の人出が見込まれる。やむなく休日に行くのであれば、8時半ごろから並ぶ覚悟で出かけるのが得策かも。
「百聞は一見にしかず」。素晴らしい古代文化に触れて見られててはいかがでしょうか。
[参考]茶室の入り口は「にじりぐち」と言うことを翌日奥方から教えてもらった。どうしてそんなに小さくしているかを調べてみればなるほどウムウム。
10月31日(金曜日)
今朝の新聞によれば昨日は天皇、皇后両陛下が奈良へいらっしゃったとのこと。道理で、日の丸の小旗を持っている人が多かった訳だ。警察官がすべての信号機の所に、何人も立っていたのは警備のためだったのか。
[概略]
天皇、皇后両陛下は30日、奈良市の奈良国立博物館で開かれている「第60回正倉院展」(主催・奈良国立博物館、特別協力・読売新聞社)を視察された。
両陛下は、一般客に迷惑がかからないように午後6時の閉館を待って博物館に入り、ササン朝ペルシャから伝わったガラス器「白瑠璃碗(はくるりのわん)」や、鳥や花などの文様が刻まれた「刻彫尺八(こくちょうのしゃくはち)」など、天平時代から伝わる宝物を約50分かけて見て回られた。
刻彫尺八の前では、指穴が今の尺八より一つ多いという説明に、天皇陛下が「穴が多いと音域が広いのですか」と質問され、皇后さまは会場に流れる古代の音色に「素晴らしい」と感嘆の声を上げられていた。
1946年に始まった正倉院展を天皇が現地で見学するのは初めてで、両陛下にとっては皇太子時代の84年以来24年ぶり。