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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

契約社員の就業規則②契約期間満了

2014-09-01 00:19:24 | 就業規則

今日まで8月だということも忘れてしまいそうに秋めいてきましたが、外に出た時楽なのには助かります。

今週末も大分仕事の積み残しがあり、ご相談メールの回答作り、週末は就業規則のチェックやセミナーの構想を練ったりしていました。9月に入るとまわりも動き出すので段取りだけは上手くつけておく必要があり、また、来週の土曜日は東京会の野球大会もあり大宮のグランドまで渋谷支部の応援に行きますし翌日曜日は地元目黒のさんま祭りなので、今週の週末は貴重な時間といった感じでした。

9月の3つのセミナーのうち2つは有期労働契約についての知識と動向がテーマであり、就業規則の整備もさることながら、まずは契約社員についての基礎知識を知っていただくためのレジュメを作ろうと考えています。ある程度契約社員について体系的に知ってからでないと、有期労働契約の無期転換への対応についても正しい方向性の選択ができないかもしれないと考えるからです。

沢山のポイントが考えられると思いますが今日頭で思い浮かべたことを少しここで挙げることで、併せて今日の復習にしようと思います。

期間の定めのある契約社員の契約期間が満了した場合に更新しないことになれば退職ということになります。ちなみに就業規則の退職の事由の中に「契約期間満了」が定められていることが多いですが、期間の定めがない正社員のみ対象とする就業規則の退職事由に「契約期間満了」が定められるのは矛盾があります。細かいことですが、今後期間の定めがある契約社員と期間の定めのない正社員や無期転換社員を明確に区分して労務管理を行う必要があるので、要チェックと考えています。

契約期間満了については単に期間が来たら満了で退職ということにはもちろんならず、有効な雇止めである必要があります。労働契約法第19条の定めにあるような、「有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるもの」であれば雇止めが無効になってしまう場合もあります。この雇止めが有効かどうかは、期間の長さが全く関係がないわけではありませんが、やはり「期待権があったかどうか」が重要なポイントになります。そのあたりは人事担当者はよく知っておられるわけですが、いわゆる現場の管理職は契約社員は期間満了で退職もあるのは当然と考えている場合が多いと思います。その点はセミナーで強調しようと思います。

また、契約期間の途中で契約を解除するということになると、これは解雇と同じことになり30日前の予告又は30日以上の解雇予告手当の支払いが必要になりますし、解雇制限期間中であれば契約解除はできないということになります。しかし契約期間満了での退職であればこれは解雇ではないので、解雇制限期間中であっても退職になります。契約期間の途中解除については労働契約法17条「使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。 」と定められてからは正社員の解雇より難しくなった(法律上解雇の不可について定められたため)と言われていますので、契約期間途中の解除はあまり行われていないようです。こういうことも現場で知識として持っておいてもらいたいと思います。

契約期間満了の場合、雇用保険はどうかというと3年未満と3年以上の契約期間満了では同じ契約期間満了が離職理由であっても受給資格が異なってきます。これはかなり複雑なのですが、一番のポイントは契約期間3年以上の場合には直前の契約時又は実務上では1カ月以上前に雇止め通知をしていない場合で本人の都合ではなく会社の都合で契約期間満了の退職とした場合は、喪失原因も他と同じ「契約期間満了」ではなく解雇と同じ「事業主都合」ということになります。特定求職者給付金などの助成金を受給している場合は打切りになってしまうので注意が必要です。

その他思いつくのは、以下の通りです。

①育児休業・介護休業は 期間の定めのある労働契約の場合は一定の条件をクリアしている必要がある。

②労働契約法と新たにパート労働法の改正で、期間の定めがあることにより労働条件が不合理な差異があってはならない。

③パート労働法は通常の労働者と比較して所定労働時間が短い短時間労働者が対象ではあるが、正社員と同じだけフルタイムで働いているパートタイマーに対しても、パート労働法の趣旨が考慮されるべきであることを留意することと指針で定められている。

④平成28年10月から、社会保険(健保・厚年)の加入義務は拡大する条件は、以下の通りであること。1.1週間の所定労働時間20時間以上 2.月額賃金88,000円以上(年収106万円以上) 3.当該事業所に継続1年以上使用見込み 4.労働者等総数が常時500人を超える事業所であること 

まだまだ頭が整理されていないことを自覚しましたが、頑張って組み立てていきたいと思います。

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