百姓通信

自然と素直に向き合い、全身で風を感じて私は百姓しています。
①土づくり②循環型③無農薬・無化学肥料④永続性を大切に!

有機農業

2007-11-23 22:34:52 | 農業
有機農業推進法が昨年12月全会一致で制定されたが、認知度はまだまだ低い。農業関係の行政職員の方でも、まだこの法律を知らない人が少なくない。また、この法律では、地方公共団体が推進計画を立てることになっている。国は出来るだけ、現場の市町村に主体性を持たせる意味で、ハード面とソフト面の両面から支援をして、モデルづくりを始めたいと考えているようだ。
市町村の中には“ムラづくり”や“マチづくり”の視点でこの推進法を活用したいと考えているところがあるようだが、県や現場レベルで議論になるのは、有機農業は、果たして減農薬の延長線上にあるのか、全く異なる農業なのかという点ではないだろうか。
僕自身も、農業を始めた当初は、どうしても害虫による被害が酷くなりそうな時や病気が発生した時は、仕方なく薬を振るしかないのでは・・・と思っていた。しかし、農業をじっくり、しっかりやってくると薬を使うばかばかしさがみえてくる・・・何故薬を使わざるをえなくなってしまったのかについて考えてみると根本的な問題は『土づくり』にあることに気付かされる。・・・つまり、対処療法ではなく、根本治療(原因療法)が重要で、この根本を有機(無農薬・無化学肥料で生物多様性を活かした農業)で解決してくると、不思議と手間暇をかけなくても充実した植物の育つ環境が準備されてくる。
害虫も“害”がトレテただの虫になる。虫になると決して憎い存在ではなり、同様のことが雑草にも言える。目の敵のように雑草が生えない圃場づくりを目指している人がいるが、ある人は「そんなに草が嫌いなのなら、砂漠で農業をすれば良いのではないか!」と言う。どう考えても、草が全くないところで植物を育てる??ことは大変不自然であり、もし育ったとしても、大変違和感を持つ。
有機農業については、百姓だけではなく、消費者や行政、流通の関係者と共にしっかり考え、一歩一歩確実に着実に広めていきたいと考えている。