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恐怖の報酬 (1953年 フランス映画)

 
 
 
 
 1953年のイブ・モンタン主演のフランス映画「恐怖の報酬」を観ました。手に汗握るスリル満点のサスペンスドラマでした。秀作です。1950年代は映画の黄金期なのですね。水野晴郎じゃないですが”いやー、映画って本当にいいものですね~”
 前半の1時間はヨーロッパやアメリカから、南米のベネズエラの場末の街に集まってきた男たちのけだるい退屈な生活を、ゆったりとしたカメラワークで描いています。生身の人間の描き方がていねいです。この前半が長いような気もしますが、悪路をトラックで危険な”ニトログリセリン”を運搬する後半は”恐怖の報酬”とはまさにこの事だと、緊迫感の連続でヒヤヒヤ、ドキドキして見入るだけになりました。
 
 
 恐怖の報酬 1953年 フランス映画
 
 
 監督 アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
 脚本 アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
 音楽 ジョルジュ・オーリック
 主演 イヴ・モンタン  シャルル・ヴァネル フォルコ・ルリ ペーター・ヴァン・アイク
 
 解説とあらすじ (新午前十時の映画祭より)
 
  南米を舞台に、ニトログリセリン運搬を担う4人の食いつめ者たちを描くサスペンス映画の傑作。主演は、シャンソン歌手としても有名なイヴ・モンタン。フィルム・ノワールの旗手として名を馳せるアンリ=ジョルジュ・クルーゾーが監督と脚本を担当している。第6回カンヌ国際映画祭のパルム・ドールと男優賞、第3回ベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞。
 食いつめ者の移民たちでごった返すベネズエラの街ラス・ピエドラス。コルシカ人のマリオ(イヴ・モンタン)は、この町でジョー(シャルル・ヴァネル)と出会い、意気投合する。ある日、街から500km先の山上の油田で火事が発生し、多数の犠牲者が出る。石油会社は、火災鎮火のためにニトログリセリンを山上へと運び上げる運転手を高報酬で募集する。そして、マリオとジョーを含む四人が選ばれた。彼らは2台のトラックに分かれ、命がけで油田を目指す。
 
 映画館で観ると迫力満点でしょうね。「新午前十時の映画祭」で東京では10月4日~10月17日TOHOシネマズ府中で上映されます。 
 ”恐怖”といっても生理的な残酷さのホラー映画とは大きく違います。”恐怖”の作り方が本当に上手い。運搬はでこぼこな悪路、転回困難な狭路、落石などいろいろな障害が待ち受けます。唖然とする展開にショックを受ける場面も。
 けだるい前半と緊迫感の後半、ニトログリセリンを運ぶトラックの中での人間模様と、次々に起こる障害をクリアする安堵感など、緩急取り混ぜたすばらしい演出とカメラです。
 
 採点(10点満点中8.5点)
 
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