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世界の音楽 — オランダ

2023-06-07 17:43:09 | 世界の音楽
私が洋楽を聞き始めた1978~80年ころ、オランダの音楽といえば1にショッキング・ブルー、2にフォーカスという一般の認知だったろうと思う。しかし当時は大人になったら流行の音楽を漁るなんてしない、洋楽リスナーが学生中心だったこともあって、全盛が70年代前半であるオランダの2組はすっかり忘れられて過去の存在になっていた。

ショッキング・ブルーのVenusは70年に米国で1位、日本のオリコンでも2位となって55万枚、同年「悲しき鉄道員」も2位50万枚、ビートルズのLet It Beが同年オリコン6位で52万枚ということからもショッキング・ブルーの人気ぶりが偲ばれるのだが、同等の数字を~とか言いたくないな、空しい。外国人で2位っていったらエマニエル坊やの♪リンリン電話が~とかいうのもそうだよ。81年。この年「恋のぼんちシート」も2位だ。盗作とされているが原曲を確かめる気にもならない。

少年を性のおもちゃにしてから、関係者に売り込んでドラマの目立つ役をもらって、死ぬほど下手だけど歌でもデビューさせよう。売れない女優がいるから「ジャズ歌手」として売ってみてはどうです。下手クソだけど馬鹿なサラリーマンが買うでしょ。文字を赤くしてあるところはすべて1979~81年に起ったことです。音楽ビジネスはどの国でもアウトローとの関わりがあるんだろうけど、日本ほど不潔で幼稚な商売がまかり通ってしまう例はない。市場の閉鎖性が特殊。

80~90年代にはMTVの隆盛やCDの普及に伴い特に米英発で記号的漫画的な音楽が増え、先進各国でジャンルの細分化とそれぞれの分断、ヒットチャートに代表される総合容器としてのポピュラー音楽の形骸化が進む。オランダのヒット曲はわりと近年まで正統的で骨太なポップスが残っており、市場を成立させている価値観が某国と対照的。




1) Lassus: Si du malheur (1573)



2) Sweelinck: Echo fantasia in Aeolian mode, SwWV 275 (1610s)
ルネサンス音楽の末期からバロック音楽の最初期において北ドイツ・オルガン楽派の育成に寄与した作曲家・オルガン奏者。


3) Liesbeth List & Ramses Shaffy / Shaffy cantate (1966)


4) Bojoura / Everybody's Day (1967)


5) George Baker Selection / Little Green Bag (1969)
元は米ドル紙幣を意味するLittle Greenbackというタイトルであったが、レコード化の過程で誤ったタイトルになり、袋を探しているが思い出せない、気が変になるという歌詞が大麻の袋を指すのではと解釈されてそのまま定着。当時は米21位の小ヒットに過ぎなかったが、1992年タランティーノ映画レザボア・ドッグス、また同じ頃日本ではビールのCMに使われたことで広く流布した。



6) Ann Burton / A Lovely Way to Spend an Evening (1969)



7) Shocking Blue / Venus (1969)


8) The Shoes / Osaka (1970)
パワーポップ系の印象的なヒット。オーサカという女を讃える内容の歌詞で、同年の大阪万博は無関係の様子。いまやチンピラ支配の糞垂れ流し女になってしまった…I used to love her (Common)


9) Focus / Hocus Pocus (1971)



10) BZN / Mon amour (1976)


11) Golden Earring / Twilight Zone (1982)



12) Nits / In the Dutch Mountains (1987)


13) Louis Andriessen / M is for Man, Music, Mozart - The Eisenstein Song (1991)
現代音楽の作曲家。ストラヴィンスキーと米国のミニマリズムおよびジャズを組み合わせた作風。



14) Doop / Doop (1993)
チャールストン・ダンス音楽の断片をハウス/ユーロビートの手法で構成したインスト曲。英1位・ドイツ6位・スペイン3位・オーストラリア5位など世界的ヒットに。


15) Valensia / Gaia (1993)



16) Boudewijn de Groot / Avond (1996)
ボウデヴェイン・デグロートは1944年に日本軍占領下のジャワ島バタビア(現ジャカルタ)の強制収容所で生まれ、母親は翌年にそこで亡くなった。1964年にデビュー、当初はジャック・ブレル風の作風であったが次第に幅を広げ、オランダを代表するシンガーソングライターとなる。この曲は97年にシングルとなってヒット、年末のラジオ人気企画Top 2000においてDJが長く君臨するBohemian Rhapsody以外への投票を呼びかけたところ、この曲がいきなり1位になって驚きをもたらした。


17) Acda en de Munnik / Het regent zonnestralen (1998)


18) Abel / Onderweg (2000)


19) Spinvis / Kom terug (2011)


20) Altın Gün / Yüce Dağ Başında (2021)
同年に私のチャート入りした曲。オランダ人ベーシストがトルコ民俗音楽を取り入れたサイケデリックな作風を志し、フェイスブックでトルコ人ミュージシャンを募集して結成したという。
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