Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

摩利支天の呪術(カゲロウカクレエビ)

2018-02-02 18:26:53 | エビ・カニ類

前半は心地よい日差しあり、後半はドンヨリときどきパラパラ…という感じだった本日のやんばるです。

まあ、晴れている間に潜ったので、エキジット後もポッカポカな感じで過ごせました。

週末は曇の予報ですが、今日みたいな晴れ間があるとぐっと快適になるのですが…。

風は北。晴れのち曇一時弱雨。

■■

仏教には摩利支天という守護神がいるのだとか。

呪術を使って自身の姿を隠して見えなくすることができ、自在の通力を有しているとされているのだそう。

このため、武士の間に摩利支天信仰があったのだとか。

楠木正成や毛利元就、山本勘助や前田利家なども、摩利支天を信仰していたそうです。

合戦で、姿を隠すことが出来る能力にあやかりたかったのでしょうか。

『春や夏の晴れた日に、地面が熱せられて空気密度が不均一になり、通過する光が不規則に屈折して、ゆらゆらと揺れて見える現象』

これは陽炎のこと。

前述の摩利支天は、実は陽炎を神格化したもの。

陽炎は実体がないので、捉えられず、焼けず、濡らせず、傷つかない。それが隠形という摩利支天の特性になったよう。

また陽炎は、糸遊ともいわれます。

その原義は、『晩秋の晴天の日にクモが糸を吐きながら空中を飛び、その光が屈折してゆらゆらと光って見える現象』のこと。

陽炎は、とらえどころがないもの、はかないものの例えとして用いられますが、さらにそこに美しさもプラスされたイメージが浮かんだりします。

■■

さて…

〈テナガエビ科カクレエビ亜科ホンカクレエビ属カゲロウカクレエビ Periclimenes galene 17年12月18日 沖縄島安和〉

透明な身体に、陽炎が立ちのぼっているような金や黒色の細い破線模様を纏っているところが和名の由来です。

模様だけに注目すると、僕的には陽炎というより糸遊というほうがより似合っているように思えたりもしますが…。

刺胞毒を持つハネガヤ類と共生し、さらにまるで摩利支天の呪術のように、その模様で姿を隠すように宿主に溶け込んでいます。

 


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