Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

壊色を纏う(ケサガケベラ)

2018-02-05 19:15:20 | ベラ科

寒い…そして雨…、な本日のやんばるです。

最高気温が12℃…。

明日は日差しがありそうなので、体感は少し温かく感じられるかなぁ…。

週の後半になれば、気温が上がりそうな予報です。

風は北西。雨。

■■

『坊主憎けりゃ袈裟まで憎い』

なんて諺がありますが、これは江戸時代の〈寺請制度〉といものが背景にあるのだとか。

江戸幕府が僧侶を通じた民衆管理を法制化したものだそうで、そのため僧侶の権力が強まり、汚職の温床にもなったよう。

それで、この当時に実際に僧侶を憎む人も多かったといわれているのだとか。

そしてお坊さんを憎いと思うあまり、そのお坊さんが身に着けている袈裟まで憎くなるというわけですね。

つまりはこの二つは、僧侶といえば袈裟、袈裟といえば僧侶、というような切っても切れない関係。

特に日本に伝わったあとの仏教においては、僧侶を表す装飾的な衣装で、僧侶の位階や特権を表すものになったそうです。

ということは、本来は違ったわけです。

袈裟はサンスクリット語の『カシャーヤ』を音訳したもので、『壊色』を意味します。

壊色とは、染め直された(これを染壊というのだそう)色のこと。

出家僧侶は財産等の私有物を持つことを禁止されていたので、その衣装も捨てられたぼろ布を綴り合わせて、染め直して身に纏っていたのだそうです。

今と大きく違う感じですね。こんなものなら、坊主が憎くても袈裟まで憎くならないだろうな。

いやこんな感じなら、そもそも僧侶自体を憎くならないですね。

■■

さて…

〈ベラ科タキベラ亜科タキベラ属ケサガケベラ Bodianus mesothorax 18年1月8日 沖縄島新里〉

画像は幼魚。

変化系幼魚で、だから所謂袈裟懸け模様はまだ纏っていません。散々袈裟の話をしておいてなんですが…。

まあ見ようによっては、布きれを綴り合わせた本来の袈裟を纏っているように思えたりも……。

学名種小名は『中庸の胸の』の意。

中庸とは、かたよることなく、常に変わらないこと。過不足なく調和がとれていること。またそのさま。

そんなような胸をしているのでしょうか…、ってどんな胸でしょう。

 


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