Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

うり坊(コロダイ)

2017-08-04 19:17:41 | イサキ科

台風5号は奄美大島の東でほぼ停滞中のようですね。

予報ではゆっくりと奄美の北の海上へと進み、その後北上を開始しそう。

沖縄島へ最も接近するのは明日の明け方だそうで、強風域にかかるかどうかのギリギリのコースになりそうです。

で、海はうねりあり、風波あり、空模様も不安定…、な感じです。

沖縄周辺海上の時化のピークは明日らしいですが、うねりは数日残りそうな雰囲気です。

風は北西、後半強め。晴れのち曇、ときどき雨。

■■

イノシシは生後1年半で性成熟に達するそうですが、それまでの子供時代の一時期に『うり坊』と呼ばれたりしますよね。

地方によっては『うりん坊』とか『うりんこ・うりっこ』と呼んでいるところもあるのだとか。

それは幼少期、瓜に似た縦縞模様を体に纏っているからだそう。

この縞模様は、授乳期を過ぎた生後約4ヶ月程度で消えるのだそうですが、それまではこの模様が『うり坊』たちを守ります。

つまり、イノシシの幼少期には天敵が多いので、この縞模様が保護色になっているのだそうです。

■■

さて…

〈イサキ科コロダイ属コロダイ Diagramma pictum 17年7月5日 沖縄島崎本部ゴリラチョップ〉

画像は幼魚。

幼魚過ぎて、向こう側の目が見えていたり…。

コロダイの幼魚は変化型の幼魚ですが、図鑑などに幼魚としてでてくる写真は、画像のような個体のもっとあとのステージではないでしょうか。

そのステージまで成長すると、縦縞模様を纏います。

そう、前述した『うり坊』のように。

和名のコロダイはもともと和歌山でのこの魚の呼び名(地方名)だったそうで、それがそのまま標準和名になったのだとか。

和歌山では、『うり坊』のことを『コロ』というらしく、本種幼魚の模様との共通性から〈コロダイ〉と呼ぶようになったのではと考えられているのだそう。

■■

そういえば…

〈同種同一個体 同日 同ポイント〉

サイコロの〈コロ〉は『丸いもの・小さいもの・転がるもの』に添えられる接尾語なのだそうですが、『うり坊』も『イノシシのコロ』からただ〈コロ〉と呼ばれるようになったのでしょうか。

『うり坊』って丸くて、小さくて、転がるように動くイメージが浮かんだりするので。

動きといえばコロダイ属幼魚の本種も、近縁のコショウダイ属幼魚と同様、独特の動きをします。

転がるとまではいきませんが、クネクネクネクネと激しく踊るような動き。

そんなことをいろいろと考えてると、本種和名は幼魚期にこそふさわしい名前だと思えたり。

本種は成魚になるとイエローやオレンジの小斑点を体全体に纏います。

学名種小名は『彩色した』の意。

それが具体的に何を指すのかよく分かりませんが、この画像を見てるとここから成長と共に彩色されていくのだろうな…とか思えたり。

冒頭に本種幼魚は変化型幼魚だと書きましたが、同時に纏う前型幼魚でもあるような気もしてきたり…。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« パクパク、ブツブツ…(ネンブ... | トップ | 宮廷で評判の…(アマミウシノ... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。