Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

ポートマントー(ベニハゼ)

2017-07-10 20:16:35 | ハゼ科

連日真夏日で、灼熱~な感じの日々が続いてますやんばるです。

そしてこの先数日もこんな感じが続きそう。

暑気持ちいい~毎日です。

風は南。晴天。

■■

『夕火(あぶり)の刻、粘滑(ねばらか)なるトーブ

 遙場(はるば)にありて、回儀(まわりふるま)い錐穿つ。

 総て弱ぼらしきはボロゴーブ

 かくて郷遠しラースのうずめき叫ばん』

と、これは〈ジャバウォックの詩〉の冒頭の和訳です。

この詩は、『鏡の国のアリス』で記述されたナンセンス詩で、英語で書かれた最も秀逸なナンセンス詩と考えられているのだとか。

ジャバウォックという正体不明の怪物が、名前のない主人公によって倒される出来事が描かれている詩なのですが、このなかにはいくつかの『かばん語』がでてきます。

『かばん語』とは『混成語』とも呼ばれ、複数の語のそれぞれ一部を組み合わせて作られた語。

前述の詩でいうと、粘滑(滑らか+粘っこい)や弱ぼらしき(弱々しい+みすぼらしい)なんかがそう。

あるいは朝食(breakfast)と昼食(lunch)の間の食事を表すブランチ(brunch)も、混成語。

『かばん語』は英語で『portmanteau(ポートマントー)』といいますが、これはそもそも旅行カバンそのもののことです。

それは中央から真っ二つに開くタイプの旅行カバンで、作者のルイス・キャロルが混成語をこのカバンに関連づけて作中で紹介したことから、そう呼ばれるようになったのだそう。

そしていつしかこのタイプの旅行カバンが廃れてしまい、今では本来の意味で使われることは滅多にないのだとか。

つまり『鏡の国のアリス』という物語がなければ、〈ポートマントー〉という言葉は消えてしまっていたかもしれないということですね…。

■■

さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科ベニハゼ属ベニハゼ Trimma caesiura 17年6月12日 沖縄島崎山〉

実は本種の学名種小名は混成語。

caesius(青緑色の)+oura(尾)の混成名です。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

こちらは幼魚。

■■

日本語の混成語は…

『やぶく(やぶる+さく)』や『よそる(よそう+盛る)』等があるのだとか。

でも現在日本で最もポピュラーなかばん語は、やっぱり『熱さまシート』ではないでしょうか……。

 

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