戻り夏の日が続いてますやんばるです。
風はひたすらにゆる~く、陽光はひたすらにギラギラ。
灼熱~な感じがピークになったら大粒のにわか雨…。
そしてすぐにまた眩しすぎる青空。
今日もそんな一日でした。
風は東。晴天、一時雨。
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『世界の記述』、『脅威の書』、あるいは『イル・ミリオーネ(100万)』、これらはすべて一つの旅行記の呼び名です。
何故複数の呼ばれ方をしているのかというと、それは原題が不明だからだそう。
この旅行記、日本では『東方見聞録』と呼ばれています。そう、マルコ・ポーロの書いた旅行記のことです。
てっきり『東方見聞録』が正式なタイトルだと思ってましたが、この題が一般的なのは日本と韓国だけのようです。
この旅行記のなかで日本は『黄金の国ジパング』として紹介されています。それは奥州平泉の『中尊寺金色堂』がモデルになっているのだとか。
確かに金色堂は黄金色に輝く建物ですが、たった一つの建造物からどうして国全体が黄金で溢れている的な紹介になったのでしょう。
実はマルコ・ポーロは日本には来ていません。日本に関する記述は中国で聞いた噂話なのだそう。ということは当時の中国人がイメージしていた日本は金色の国だったのでしょうか。
金色は、金属光沢を持つオレンジがかった黄色。もちろん貴金属の金の色。
単体では金色ですが、非常に細かい粒子状にすると黒やルビー色、時には紫色にもみえるのだとか。これは金属中の自由電子がなんだかんだで、あーだこーだで、うんぬんかんぬんしてそうなるのだそうですが……、まあ不思議ですね。
黄金は古くから富の象徴みたいですから、王侯貴族や特権階級の人々が好んだ金属ですよね。紫という色もまたそうで、それはこの染料が貴重なもので、日本でも西洋でも高貴な身分の者が身につける色であったよう。
だから、金色が時に紫色に見えたりするというのは、ちょっと面白いな…とか思えたり。
高官や貴族を意味する『金紫』という言葉もあるのだそうですよ。
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さて…
〈イロウミウシ科アデヤカイロウミウシ属コモンウミウシ Goniobranchus aureopurpureus 18年8月6日 沖縄島安和グスク〉
画像は幼体。
学名種小名は『金+紫』の意。
背面全体に金色の斑紋が散在し、背面周辺部には紫の斑紋が並ぶ模様そのままの名前ですね。
学名後半のpurpureusはpurpuraの変化形で、これが英語のpurple(パープル)の語源になったラテン語です。
そしてこの言葉は巻き貝の一種に由来しています。前述の貴重な染料とは、この巻き貝の出す分泌液のことです。