Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

ケチの原理(カミソリウオ)

2018-09-03 19:18:55 | カミソリウオ科

台風21号の影響だと思いますが、浅場が少々うねりありだった本日のやんばるです。

まあうねりのピークは今日みたいですから、これ以上うねりが強まることはないようですけど。

あとこれも台風21号の影響だと思いますが、風向がこの時期には珍しく北風に。

強い日差しの下で、ヒンヤリとした風に吹かれるという心地よさを味わえた一日でした。

風は北のち北西。晴れ。

■■

「同様のデータを説明する仮説が二つある場合、より単純な方の仮説を選択せよ」

と言ったのはカール・セーガン博士。

セーガン博士はアメリカの天文学者で作家でもある人物ですが、日本では『コスモス』という宇宙に関するドキュメンタリー番組の案内役として、僕の世代には記憶されているのではないでしょう。

今から約40年前の番組で、まだ十代だった僕は、『想像の宇宙船に乗って』っていうお決まりのセリフに、すごく興奮しながら見てた記憶があったり…。

それはともかく、前述の言葉はセーガン博士が〈オッカムの剃刀〉を別の言い方で表現したもの。

オッカムというのは14世紀の哲学者で、〈オッカムの剃刀〉とは思考節約の原理なのだとか。

原文は「必要がないなら多くのものを定立してはならない。少数の論理でよい場合は多数の論理を定立してはならない」というもの。

いやまあ、セーガン博士の表現の方が解りやすいですよね…。

日本の哲学者、伊勢田哲治は次のような例えで説明しています。

「外から力がかからない物体は、神が等速でまっすぐに動かし続けている」

「外から力がかからない物体は、等速で直進する」

これらは等速直進運動の説明ですが、二つ目の説明の方がより単純ですよね。

このように説明に不要な存在を切り落とすことを比喩して『剃刀』という言葉が使われています。

剃刀は髪を除去するための刃物ですが、上記の場合は神を除去したわけですね…。

また思考を節約すると言う意味で、オッカムの剃刀は別名〈ケチの原理〉とも呼ばれています。

■■

さて…

〈カミソリウオ科カミソリウオ属カミソリウオ Solenostomus cyanopterus 18年7月24日 沖縄島新里〉

剃刀は飛鳥時代に日本に伝来し、当初は出家の祭に髪を剃るための仏教の法具だったのだそうです。

学名種小名は『暗青色の翼』の意。

暗青色は濃い青のイメージを浮かべてましたが、カラーコードで調べると緑がかった青でした。

画像の個体は違いますが、本種は色彩の変異が著しく、緑がかった色彩の個体もいます。

 

コメント
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