湘南徒然草

湘南に生まれ、育ち、この土地を愛し、家庭を持ち、子育てに追われ、重税に耐える一人の男の呟き。

予言としての”友愛革命”・・・カレルギーの思想12

2009-09-29 20:12:28 | Weblog
ここまで、私の拙い解説で
カレルギーの思想を紹介してきました
皆さん、いかがなものでしょうか?

なにぶん急なものでしたので、私の準備不足もあり
このような中途半端なものとなってしまいました

鳩山政権の誕生にともない、私としては
鳩山一郎氏の翻訳した「自由と人生」を中心に
現時点で、皆さんにご紹介したい部分は一応終わりました

カレルギーの生涯と思想については
近い将来、ふたたび、このブログで取り上げるつもりです

最後に「友愛革命」について、簡単に触れたいと思います

カレルギーによれば、友愛革命とは
フランス革命の自由主義が、貧富の差と階級的憎悪を作り
ロシア革命の平等主義が、破壊と抑圧を作り出した現在
次に来るべき、可能性のある革命の想像です

今から80年以上前に、カレルギーは予言しました

共産主義国家は
国民の全てが共産主義の失敗に気付くまで、存続し続ける
そして、外からの侵略ではなく、内部から崩壊するであろう
あるいは、いつの間にか資本主義に変貌して存続する・・・

マルクス主義が階級的憎悪を生み出したのではない
貧困と奴隷労働が階級的憎悪を生み出したのだ
貧困と奴隷労働に対する戦闘の武器は
マルクス主義ではなく、技術革新である

近代的な科学技術の発達する以前は
人間の生活、文明、経済は人間の筋肉労働に頼らざるを得なかった

古代ローマの力も、アテネの自由も
奴隷労働の上に依存していた
もし当時、奴隷解放をすれば、文明の自殺になったであろう

科学技術の発達が、人口の要求以上の食糧を生産し
近代工業の大量生産技術は
従来、贅沢品であったものを、労働者大衆に供給できるようになる

過労と失業は、仕事を分け合うことで解消できる

社会問題が
資本主義と技術革新で解決できることを、一般の人々が認識できるようになれば

「財産は泥棒の別名」などと言われることはなくなり

「財産は人間の権利なり」と、フランス革命の標語通り、言われるようになる

その時、現在の階級闘争は終焉する

雇用者と被雇用者の間に対立があっても
革命の危険なしに、解決されるであろう

都市のブルジョアジーとプロレタリアートの階級意識は消え
農村の大農小農の違い程度のものになり
多少の嫉妬はあっても、階級闘争は起きない

人々が、日本人のように、毎日沐浴するようになる

人々が、権力への意志を持ち続け、戦い続けるというのは間違いだ
人々が権力を指向するのは
権力を持たなければ、自由が得られなかった時代と社会のためだ

工業技術の勝利による階級闘争の終焉は、友愛のための大革命を形成する
それは、個人主義を基調とする社会主義であり
隣人の個性を尊重することをもって、人格の観念の最高位とするものだ

もし母親が弧弱なる幼児を乳養する習慣がなければ
全ての哺乳類、そして勿論人類も、とうの昔に絶滅している
一切の友愛主義、一切の人道主義に対して、母性的感情はその核心を成す・・・
コメント
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