無意識日記
宇多田光 word:i_
 



「2024年度上半期全国FM/AMラジオ・エアプレイチャート」ってのが発表された。
https://www.musicman.co.jp/chart/621181

毎度ながらよくこんなのすぐ見つけてくるねぇありがたい。でヒカルの名前は総合チャートに次の2つ。

9位 宇多田ヒカル「何色でもない花」
18位 宇多田ヒカル「traveling」

再録版と合算ってことなんだろうかねトラベの方は。そして『何色でもない花』が第9位。この曲は聴いた時に真っ先に書いた「売れそうにない」という予想を悉く擦り潰しにきてくれるねぇ。ホントすいません侮ってました。(何度でも謝る)

実際、チャート自体が乱立する現代においては、何であれトップ10に名前があると現役感が出るのよね。普段ヒカルを聴いてない人も「あら宇多田は今年も元気にやってるんだな」と認識してくれる。なのでこの曲がここまで売れたのはキャリア的には数字以上にプラスだろうな。

アルバム『SCIENCE FICTION』を聴いていて『何色でもない花』が流れてくると、この26曲の中でいちばんの“異質感”を感じる。アルバム全体の雰囲気の中でかなり端っこというか異端というか。収録理由が「まだ今年リリースしたばかりの新曲だから」なのだろうからね。例えば前に触れた『ULTRA BLUE』の楽曲群が『SCIENCE FICTION』の傾向やムードから少し距離があるからあまり選曲されていない、という話とはまた事情が違う。

逆に言えば、『ULTRA BLUE』の楽曲がもっと収録されていたなら『何色でもない花』の異質感も薄れる筈だ。そこに親和性を見出す事も出来る。その上で『気分じゃないの(Not In The Mood)』も放り込めばバッチリ…嗚呼、それではSFが違う作品になってしまうわね。

『ULTRA BLUE』はセールス的には“底”の作品で、次作『HEART STATION』アルバムでV字回復していくのだが、ここだけ「ミリオンではない」というのがCD時代を生きてきた人間の認識である。ただ、いうほど印象が悪くないのは、その前の『Single Collection Vol. 1』で“一丁上がり感”を出してヒカルが一旦キャリアを総括したからでもあった。そのあと実験に走っても「まぁもう一時代を築いた人だから好きにすれば」と思われてた節がある。

その後の歴史をみても、『Single Collection Vol. 2』は人間活動に入る直前のリリースだったし、それなら今回の『SCIENCE FICTION』アルバムもキャリアの区切りになっていくのか?というのは少し気にかかる。が、アーティストの本能というか、ヒカルの現在の創造性の性質からすると、ここで立ち止まるのは少々考えづらい。寧ろ、リスナーの方がここでSCv1の時のように勝手に“一丁上がり感”を感じてしまうことの方が不安だわな。なので、こうやって旧曲より新曲の方が数字が上のチャートを見せられると安心するというのは、少しあるね。

しかし、これだけ人気だとやっぱりツアーでもこの『何色でもない花』は歌わざるを得ないか!? だったらラストの映像演出or照明演出で、効果音に合わせて花火を飛ばしてくれたら嬉しいんだけど、はてさてどうなるでしょうかね。あたしとしては当初のチャート予想がダメダメだっただけに、直にオーディエンスの反応が見てみたいってのも、ありますわ。

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