無意識日記
宇多田光 word:i_
 



ふむ、今日以外もう書くタイミングがないかな。「『SCIENCE FICTION』に『ULTRA BLUE』の楽曲が少な過ぎる」問題。…もう既に何回か書いてるけどもねっ。

そう、オリジナルアルバム8枚からセレクトされた26曲の中に1曲しか収録されてないんですよ『ULTRA BLUE』から。『COLORS』のみ。何なら同曲が初めてアルバム入りしたのは『Single Collection Vol.1』だから同作からのご登場という事にしてしまうと1曲も選ばれなかったという言い方すら出来てしまう。アクロバティックに過ぎるけど。

散々言ってきてる通り、『SCIENCE FICTION』は所謂「オールタイムベスト」と呼ばれるような過去の業績を振り返るアルバムではなく、2024年現在の宇多田ヒカルがたった今の感性と感覚と感情で過去の素材をさまざまなレベルで生々しく料理した異色の一枚、というのが妥当な見方だと思うので、つまり、『ULTRA BLUE』の楽曲群は、宇多田ヒカルのベストアルバムに収録されるべき曲が無いというよりかは、

「今のヒカルの気分から遠い作品」

とみる方がより適切な気がするわけです。つまり、この頃顕著だったややダウナーな雰囲気とか内省的な切り口とか、そういうやつと今のヒカルパイセンのモードがかなり違うと。(まぁ、そのダウナー路線の最先端がアルバム『BADモード』収録の『気分じゃないの(Not In The Mood)』だったりもするのですが…)

『ULTRA BLUE』に関して、ヒカル自身は好きな曲として真っ先に『日曜の朝』を挙げていた。確かに、シングル曲でもないかなり地味目のこの曲を中心とした作風だというのなら、今のダンサブルで伸びやかで華やかですらある路線からは程遠いわよね。準タイトル・トラックの『BLUE』からして苦悩に満ちてるしな。今のヒカルが歌詞で『あんたに何がわかるんだい!?』とは歌いそうにないもん。息子に聴かれたら心配されちゃう。他にも『Be My Last』に『誰かの願いが叶うころ』といった宇多田史上いちばん重いサイドのバラードが2曲も入ってるし。更に『海路』が追い討ちを掛けてだな…いや、『Keep Tryin'』とか『Making Love』とかはかなり華やかなんだけど、それでも何となく少し病んでるといいますか、病んでても狂えないともがく理性的なヒカルさんと言いますか。

…ふぅむ。18年前の今日リリースされたこのアルバムについて振り返れば振り返るほど、なるほど『SCIENCE FICTION』のムードじゃないわなと納得感が強まってきたな…。唯一収録されてる『COLORS』だって一曲だけ制作時期が離れてるんだしな。

でもなー、『This Is Love』についてだけは、Re-RecordingかRemixで聴いてみたかったというのはあるわな。あの強烈なイントロダクション、アルバムのオープニングでもよかったくらいだし。ん?『Passion』?あれは時期関係ない楽曲だから多分そんなに変わらなかったと思うわ。

でも逆からみれば、『SCIENCE FICTION TOUR 2024』でサプライズ選曲をするとしたら『ULTRA BLUE』から、ってのがいちばん効果的なわけでね。1曲くらい『SCIENCE FICTION』アルバムに収録されてない選曲で聴衆の意表を突くとなると…当時からのリスナーとしてはやはり『One Night Magic』が来たらかなりいいなとは思う。けれども今のリスナー層に18年前のアルバム収録の非シングル曲はキツイかぁ。他にも山程候補曲あるしなサプライズ枠。『Wait & See 〜リスク〜』とかでいいんだもんね。(「とか」って言ってるけどミリオンセラーシングルだからね…。)

てなわけで、文句を言おうかと書き始めたけど思わず結構納得してしまったので、今宵はこんな具合です。…なんだよそれ(笑)。

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