無意識日記
宇多田光 word:i_
 



毎年お馴染み宇多田ヒカル地上波初登場記念日がやってまいりました。Mステで『First Love』を歌った日ですね。25周年とはなぁ。

アルバム『SCIENCE FICTION』で『First Love』は26曲中2曲目に収録されている。最初この曲順で聴いた時に「もうとっとと消化しちゃおう。後に鳴らさなきゃいけない曲が山程詰まってるんだ!」という雰囲気を感じて笑ってしまった。本来ならばいわば伝家の宝刀とか必殺技とか御老公の御印籠とかとにかくとっておきのものなので終盤までとっておくような曲がこんな早い段階で披露される。「ドラゴンボール」のセル編でコルド大王が出落ちした時の事を思い出す。(流石にそれはちょっと違う(笑))

1曲目でもないのよね。『DEEP RIVER』アルバムの『SAKURAドロップス』があるように、バラードからスタートするのは宇多田ヒカルの御法度ではない。『This Is The One』のアメリカ盤も『Come Back To Me』から始まるしな。なので宇多田ヒカル初のオールタイムベストならば最大のヒット曲である『First Love』から始めてもおかしくはなかった。

(余計な事を書いとくと、この「最大のヒット曲」という形容が使えるようになったのは昨年今年くらいからだったりする。シングルカットだったこともあって『First Love』のCDシングルはミリオンセラーではなかったし。CD総売上なら『Automatic/time will tell』だし年間売上なら『Can You Keep A Secret?』だしダウンロード数なら『Flavor Of Life』とそのバラードバージョンだし…ということで、数字上でやっと『First Love』のことを「宇多田ヒカル史上最大のヒット曲」といえるようになったのは、YouTubeやサブスクでの再生回数が1億回を超えてきた最近のことなのでした。いや勿論、宇多田公式チャンネルではずっと再生回数1位ではあったのだけどね。)

なのに、実際の1曲目は『Addicted To You (Re-Recording)』だった。ここは攻めたねぇ。もっと言えば、作り手側送り手側としても「このアルバムはただのオールタイムベストではないから!」というのをアピールしたかったんだろうね、この曲順。

結果、『SCIENCE FICTION』での『First Love』は、例えばアルバム『初恋』での『あなた』みたいな位置どりを取ることになった。同曲はアルバム『初恋』収録曲では最大のヒット曲だが、他があんまりにも充実しているので要の曲というよりはどちらかというと看板曲みたいな雰囲気で。人気と知名度はあるけれど流れの中では1曲目を引き継ぐ位置ですよ、てな具合で、、、

、、、ほんと贅沢なアーティストだな! 邦楽史上有数のスタンダード・ナンバー『First Love』をそんな扱いって!

25年前の今日のことを思い出すと(あたしは留守録だったのでリアルタイムでは観てないんだけどね⭐︎)、楽曲『First Love』はあらゆる意味で突出していて別格中の別格で、「日本語バラードでこのクォリティは信じられない。永遠のスタンダード・ナンバーだ!」と確信して憚らなかったが、こうやって25年経つとその確信は粉々に砕け散っている。なんせこの最新作『SCIENCE FICTION 』では『First Love』は26曲の中の1曲に過ぎない。私という聴く方のテンションとしてはここでそこまで極端に上がるわけでもないのだ。後に沢山の感動が待っていた。

うぅむ、邦楽市場全体が進化して次世代次次世代の手によって宇多田ヒカルの『First Love』を相対化する夢ならみようとしてもよかったのかもしれないが、四半世紀経って本人自らがこうやって相対化を成し遂げてしまうとは、もう何がどこまで凄いのかよくわからない。あーでも25年経ったんだね。やっぱり、流石に感慨深いよ。宇宙や地球規模では大したことないのかもしれないけれども!

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