無意識日記
宇多田光 word:i_
 



前回の日記のタイトルは【『First Love』はもう全然孤高じゃない】だったけど、これ私にとってはかなり初期の時点でそうでしたのよ。確かに、『First Love』アルバムリリースの時点ではこの曲がひとつだけ突出してた印象なんだけど、2年後の2001年にリリースした『Distance』アルバムに『Eternally』が収録されてたからね。これには吃驚させられたですよ。まさかたった2年のインターバルで『First Love』と遜色無いバラードを書いて歌ってくるとは、と。間に全国ツアーと進学挟んどいて、だよ? ソングライターとしての凄みを遺憾無く感じさせてくれた随一の名曲でした。でもこの曲は不憫でねぇ。結局当時はシングルカットされずにいて、そこから7年後の2008年に新しいミックスで単曲配信されるもそこでも特にヒットすることはなく…。曲の出来と知名度の相関の無さってもんをあらためて実感しましたわその時も。どうせならその『Eternally- Drama Mix -』を今回『SCIENCE FICTION』に収録して貰ってもよかったんだけど。一応シングル曲になったんだし? まーでも、無理だったかー。

そんな認識なので自分にとっては2001年の時点で『First Love』はひとつだけ突出した曲ではなくなっていたのだけれど、「世間」というのはそうはならなかったですよ。

そこからヒカルは、特にライブでアピールを始めたね。前も一度特集を組んだ『First Love』の次に何を歌うか、ってヤツですよ。ヒカルは、2004年の『ヒカルの5』では『Deep River』、2010年の『WILD LIFE』では『Flavor Of Life (Ballad Version)』、2018年の『Laughter In The Dark Tour 2018』では『初恋』と、折に触れて「その時々の代表的バラード」を『First Love』の次曲として当ててきてた。

それを思い起こすと、例えば今回の『SCIENCE FICTION』アルバムだとその役割は『花束を君に』になるわけで。上記の歴代曲と並べてもなるほど納得のできる選曲だわね。朝ドラ主題歌になってた&紅白歌合戦で歌っただけあってかなりの知名度だし。

であれば、私に限らず、長年ずっと聴いてるリスナーにとってはとっくに『First Love』は孤高ではなくなってる、なんてケースももう珍しくないかな?と思ったりも。

ただ、特にこの2年のリバイバル・ヒットでますます突出したという印象も一方であってここらへんはそれぞれのリスナーがどれくらいの頻度や密度で宇多田ヒカルを聴いてるかで大分変わってくるんだろうな。

それをヒカル自身がどう捉えてるかは、それこそもうスタートまで残り1ヶ月を切った『SCIENCE FICTION TOUR 2024」で、ヒカルが『First Love』の次に何を歌うかで見えてくるように思われる。もちろん、例えば18年前の『UTADA UNITED 2006』では仕切り直してUTADAパートに突入したりもしていたのだし、『First Love』の次はすぐには何も歌わない(間を空ける)というのも選択肢の一つなんだけど、はてさて今回はどうしてくるでしょうね? あたしはアルバム通りの『花束を君に』が第一候補、次は「最後のキス」繋がりで「One Last Kiss』が第二候補かなと思っているけれど。

いずれにせよ、もう『First Love』は孤高でも何でもないし、役割を代わってくれる曲がこのように沢山出てきているので、孤独ですらないんですわ。仲間が沢山、出来たので。こうやって『First Love』がone of themで居られるって、どんな凄い公演になるのやら。楽しみねぇ。

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