ことしも夏休み恒例・一家で那須旅行の時期がやってきた(←注・季節はずれの展開ですみませんが餃子の話の流れということでご了承を)。高速湾岸線から首都高を経由、東北自動車道に入ってしまえばクルマの流れもよく、まだ12時前なのにもう宇都宮に着いてしまった。このまま那須まで行って昼食にしてもいいが、避暑地だけに食事の予算は少々高め。初日のお昼は軽く高速のサービスエリアで済ますことにして、宇都宮インターの先にある上河内サービスエリアへと立ち寄ることにした。駐車場を見下ろす高台に立つ建物は、大きくとったガラス窓が印象的。旅の1食目としては期待がもてそうな、明るい雰囲気である。
建物を入ってすぐのところはショッピングゾーンになっており、県内各地の産品が色々と売られている。中でも目立つのはやはり、宇都宮名物の餃子。看板商品らしく売り込みも熱心で、大きなポスターが貼られたコーナーには、持ち帰り用の冷凍餃子が各種販売されているようだ。お昼に食べてみるのもいいが、サービスエリアでは本格的餃子は期待できないか、と思ったところ、フードコートで人がひときわ集まる一画に宇都宮餃子広場と看板が掲げられいるのを発見。店頭に行って「今週のメニュー」を覗いてみると、3つほど並んだ品書きに添えて、「シンフー」「雄都」などと書かれている。これは店名、ということは何と、市街の餃子店の餃子がここで食べられるようである。
かつて宇都宮の駅ビル「パセオ」で本格的な餃子が味わえたように、サービスエリアの餃子コーナーも本場の面目を保つ実力派。ともに宇都宮の玄関口の店として、外来の客に対して恥ずかしくないレベルを保っているのだろう。この「宇都宮餃子広場」で扱う餃子は、宇都宮餃子会加盟の店から選んだ14種。先ほどの3軒のほか、宇都宮夢餃子、餃子会館、幸楽、駅前餃子や、以前駅ビルでも食べた県内に10店を展開する人気店「みんみん」も入っている。出される餃子はこの中から週替わりとなるため、来るたびに違う店の違う餃子が食べられるというのも楽しい。
行列に加わって待ちながらメニューを眺めた結果、この日の餃子3種を全部頼んでみることにした。メニューによると青源「駅前餃子」280円は「ピリッとした辛さの元気餃子」、シンフー300円は「肉と野菜と海老のハーモニーが絶妙なオリジナル餃子」、雄都300円は「海老と野菜のグッドマッチ餃子」とあり、それぞれタイプの異なる味なので楽しめそうだ。順番が来てひと通り頼むと「焼き上がりに7分かかります」と店のお姉さん。しばらくして呼び出し用携帯ブザーの知らせとともに受け取りに行くと、6つの焼き餃子が並んだ皿が3皿用意されていた。皿ごとに店名を書いた紙がのっていて、どこのかが分かるようにしてあるのが実に親切。おかずは餃子にして、フードコートでこちらも栃木名物のかんぴょうごはんにけんちん汁、子どもは餃子が豪快にのった餃子ラーメンを頼み、さっそく餃子3種の食べ比べ会だ。
最初は以前に宇都宮駅ビル「パセオ」で食べたこともある「青源」の餃子からひとつ頂く。江戸期創業の味噌の老舗「青源味噌」がやっている店で、味噌を生かした独創的な餃子が身上だ。パセオ店はビリビリ辛いネギ味噌餃子、東武宇都宮駅近くの店はさっぱりと水餃子が評判で、ここのはどちらかといえば駅ビル系の味か。香りが強く、ピリッとした刺激が食欲をそそる。一方、「シンフー」はリーズナブルな値段と豊富な種類が自慢。青源の餃子とは対照的に、刻み野菜がたっぷり入ったマイルドな味で、エビの香りがとても香ばしい。「雄都」の餃子も同じタイプで、スタンダードな味がホッとさせてくれる。いずれも皮がうまいのが特筆もの。青源は薄手でシコシコした麺のよう、シンフーはやや厚手でモチモチ、雄都はバリッと心地よい歯ごたえと、3つとも味わいのも面白い。皮の材料である小麦の産地だったことが、宇都宮に餃子が定着した要因のひとつといわれており、基本である皮へのこだわりが、他にない宇都宮ならではの考え方なのかも知れない。
餃子をつまみながら、厚めのかんぴょうがゴロゴロ入ったかんぴょうご飯を食べ進めていると、さすがにお腹がいっぱいになってきた。すると巨大餃子がのっかったラーメンを平らげた息子が、食べたりないと残った焼き餃子へとさらに箸をのばしている。親に似て食への興味旺盛なのは結構だが、食欲も旺盛になりすぎた結果、体型まで親に似ないように…。(2005年8月23日食記)
建物を入ってすぐのところはショッピングゾーンになっており、県内各地の産品が色々と売られている。中でも目立つのはやはり、宇都宮名物の餃子。看板商品らしく売り込みも熱心で、大きなポスターが貼られたコーナーには、持ち帰り用の冷凍餃子が各種販売されているようだ。お昼に食べてみるのもいいが、サービスエリアでは本格的餃子は期待できないか、と思ったところ、フードコートで人がひときわ集まる一画に宇都宮餃子広場と看板が掲げられいるのを発見。店頭に行って「今週のメニュー」を覗いてみると、3つほど並んだ品書きに添えて、「シンフー」「雄都」などと書かれている。これは店名、ということは何と、市街の餃子店の餃子がここで食べられるようである。
かつて宇都宮の駅ビル「パセオ」で本格的な餃子が味わえたように、サービスエリアの餃子コーナーも本場の面目を保つ実力派。ともに宇都宮の玄関口の店として、外来の客に対して恥ずかしくないレベルを保っているのだろう。この「宇都宮餃子広場」で扱う餃子は、宇都宮餃子会加盟の店から選んだ14種。先ほどの3軒のほか、宇都宮夢餃子、餃子会館、幸楽、駅前餃子や、以前駅ビルでも食べた県内に10店を展開する人気店「みんみん」も入っている。出される餃子はこの中から週替わりとなるため、来るたびに違う店の違う餃子が食べられるというのも楽しい。
行列に加わって待ちながらメニューを眺めた結果、この日の餃子3種を全部頼んでみることにした。メニューによると青源「駅前餃子」280円は「ピリッとした辛さの元気餃子」、シンフー300円は「肉と野菜と海老のハーモニーが絶妙なオリジナル餃子」、雄都300円は「海老と野菜のグッドマッチ餃子」とあり、それぞれタイプの異なる味なので楽しめそうだ。順番が来てひと通り頼むと「焼き上がりに7分かかります」と店のお姉さん。しばらくして呼び出し用携帯ブザーの知らせとともに受け取りに行くと、6つの焼き餃子が並んだ皿が3皿用意されていた。皿ごとに店名を書いた紙がのっていて、どこのかが分かるようにしてあるのが実に親切。おかずは餃子にして、フードコートでこちらも栃木名物のかんぴょうごはんにけんちん汁、子どもは餃子が豪快にのった餃子ラーメンを頼み、さっそく餃子3種の食べ比べ会だ。
最初は以前に宇都宮駅ビル「パセオ」で食べたこともある「青源」の餃子からひとつ頂く。江戸期創業の味噌の老舗「青源味噌」がやっている店で、味噌を生かした独創的な餃子が身上だ。パセオ店はビリビリ辛いネギ味噌餃子、東武宇都宮駅近くの店はさっぱりと水餃子が評判で、ここのはどちらかといえば駅ビル系の味か。香りが強く、ピリッとした刺激が食欲をそそる。一方、「シンフー」はリーズナブルな値段と豊富な種類が自慢。青源の餃子とは対照的に、刻み野菜がたっぷり入ったマイルドな味で、エビの香りがとても香ばしい。「雄都」の餃子も同じタイプで、スタンダードな味がホッとさせてくれる。いずれも皮がうまいのが特筆もの。青源は薄手でシコシコした麺のよう、シンフーはやや厚手でモチモチ、雄都はバリッと心地よい歯ごたえと、3つとも味わいのも面白い。皮の材料である小麦の産地だったことが、宇都宮に餃子が定着した要因のひとつといわれており、基本である皮へのこだわりが、他にない宇都宮ならではの考え方なのかも知れない。
餃子をつまみながら、厚めのかんぴょうがゴロゴロ入ったかんぴょうご飯を食べ進めていると、さすがにお腹がいっぱいになってきた。すると巨大餃子がのっかったラーメンを平らげた息子が、食べたりないと残った焼き餃子へとさらに箸をのばしている。親に似て食への興味旺盛なのは結構だが、食欲も旺盛になりすぎた結果、体型まで親に似ないように…。(2005年8月23日食記)