暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

発作

2021-09-23 | かなしい
優しいねと言われればひとつ
よくやったと褒められればひとつ
河原に石が積み上がる

祀り上げられまたひとつ
称える声にもまたひとつ
井戸に石が落とされる

(私はいつでも笑っているよ)

幾つも折り重なったさみしさが
痛みをともなう涙を押し出す
どうしたら良い
立ち止まった場所は踏切の前

堰き止めた流れは水門を超え
(うるさい黙れもう喋るな)
身勝手だとわかってもいる
だから笑っているのだ、
代わりに石を積み上げて

積み上げるたびに思い出す
幾つも、幾つも積み上げた石を
今日のように生ぬるい風は
凍えた爪先を思い出す

人はみな支えられ生きているなど
わかりきったことを今更言うな
人は支えられなければ生きられない
だからこそ、だからこそ私は

(誰か崩してくれ)
誰か、誰か、誰か、誰か

求められれば積み上がる石
笑いかければ積み上がる石
幾つも折り重なったさみしさは
どこへも行かず重なり続ける
求めていない、求めている、けれど
私はいつでも笑っているよ

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