暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

バランサーなんてそんなもん

2022-09-06 | かなしい
届いた荷物を開けて
ダンボールの中に何が入っているか
想像をしてみて欲しい

商品?
納品書?
メッセージカード?
ちょっとしたおまけ?

あなたは一通り中を検めたあと
『それ』を捨てる
恐らくは何の感慨もなく
時には役立つと知りながらも
処分しなければならない煩わしささえ覚えて

『それ』なくしては
荷物は無事に届かなかったかもしれない
それは梱包材だ
そしてそれは私にあたる

おそらく尋ねたなら
誰もが答えるだろう、『それ』は
私は有益だと
なくてはならない物なのだと

しかし圧倒的大多数は
そうしなければ 誰もが
すっかり『それ』そのものを忘れている
『それ』があるばっかりに手間が増えると
処分の時にだけ思い出す

あなたの中に私はいても
私はたいてい置き去りになる
あなたがたの激論の中に
私はひとり取り残される
都合良く利用して利用して最後に捨てる
私はただの『それ』に過ぎない

あなたがたは気付いていないかもしれないが
真に透明なのはこの私だ
あなたがたが気付くことはないかもしれない
真に透明であるがゆえに

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