日経ビジネスオンラインで、ある種のパワハラという記事を読みました。
要するに、本来そんなつもりで言ったんじゃないのに、部下が過剰反応して、パワハラと言えば言えなくもない、という状況になってしまった、ということのようです。
そしてそれは最近増えていて、若い部下のコミュニケーション能力が低いために、上司の意図をくみ取るとることができないために起きる現象で、メールやSNSなど、相手の表情や口調を斟酌せずにコミュニケーションを取るツールが発達したせいだ、というのです。
意識が低いですねぇ。
仮にそうだとしても、現代社会に生きていればいやでもメールやSNSを使わざるを得ず、それが昔懐かしい人情味あふれるコミュニケーションを喪失させた、とでも言いたいのでしょうか。
そんなことを言い出せば、電話が発明された当時、手紙と違って人情味がないと感じたでしょうし、電車や車が普及したとき、人は歩く速さで旅をするものだ、と嘆いたでしょうし、旅客機が登場したときは船旅の優雅さを懐かしんだことでしょう。
物事を道具のせいにしてはいけません。
上司の気持ちをくみ取ることができない部下の問題ではなく、部下が傷つくかもしれない、という想像さえできない上司が100%悪いのです。
人の気持ちは時々刻々と微妙に変化するもの。
生身の人間を相手にする以上、それが部下であっても最大限尊重するのがまっとうな人間というものです。
セクシャル・ハラスメントでもアカデミック・ハラスメントでもパワー・ハラスメントでも、加害者の側は何の気なく、犯罪行為を犯すものです。
親愛の情からだった、とか、期待していたからだった、とか、叱咤激励の意図だった、とか。
それはおそらく加害者の偽らざる気持ちなんでしょう。
しかしハラスメントというのは、被害者がどう感じたか、だけで決まるものです。
加害者の言い訳をいちいち真に受けていたら、この世の中にハラスメントなんて存在しなくなるでしょう。
私の職場では私の訴えにより、ハラスメント防止委員会というのとハラスメント相談員というのが置かれました。
しかし、誰が委員で誰が相談員なのか、一向に周知しようとしないのですよ。
この期に及んで何で隠すんでしょうねぇ。
誰に相談してよいかわからなくて悩んでいる社員がいるかもしれないというのに。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110301/218680/ ⇒日経ビジネスオンラインです。
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