欧米の映画では、よく精神分析や催眠療法を行っている場面が登場します。
私は過去、4人の精神科医の診察を受けています。
最初の主治医は、なんでも患者の希望どおり、という感じで、頼りなくて止めました。
次の主治医は、時間をかけてじっくり話を聞いてくれ、アドヴァイスや、時には患者の意に反することもはっきり言ってくれるので、信頼して今も診察を受け続けています。
一人は病名が適応障害から双極性障害に変わったとき、念のためセカンド・オピニオンを聞きに行った医者で、いかにも迷惑そうでした。
それと、職場の産業医。この人は患者向けの本に書いてある通りのことを言う先生で、真面目なのはわかりましたが、融通が利かない感じでした。
いずれの精神科医も、基本は薬物療法で、話を聞くのはカウンセリングというより薬の調整のためだったように思います。
たしかに合う薬と合わない薬があるので、試行錯誤しながら合う薬を見つけていくというのは大事なことです。
今の主治医にかかって3年以上になりますが、最初の一年は頻繁に薬を変えました。
しかし、これが合う組み合わせだ、ということが分かったので、ここ二年は量の増減はあるものの、種類の変更はありません。
おかげで、復職から11カ月目にはいりましたが、体調はまずまずです。
日本には精神分析や催眠療法をやる精神科医はいないんでしょうかねぇ。
精神分析協会のHPを見ると、精神分析家というのはごくわずかしかいないことがわかります。
一方催眠療法で検索すると、かなりの数がヒットしますが、前世がどうちゃら、自己催眠がどうちゃら、なんだか怪しい感じがします。
時々刻々と微妙に変化していく人間心理。
それをある技法で治そうというのは無理があります。
それよりも、セロトニンの異常ならそれを正常にする薬を飲めばよいし、不安なら抗不安薬を飲むのが手っ取り早いでしょう。
日本独自の治療法に森田療法というのがあって、これは基本的に薬を使わない治療法ですが、完全に時代遅れになってしまいました。
私も一時期「森田式精神健康法」という本を読んで、これを実践しようとしたことがあります。でも効きませんでした。
今なお古典的森田療法で治癒を目指している方、早く薬物治療に移ったほうが良いですよ。
精神病は脳の機能障害。
気合や根性で治るものではありません。
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森田式精神健康法―この名著が「自分のこころ」を強くする (知的生きかた文庫) |
長谷川 洋三 | |
三笠書房 |