ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

劇場版 美しい彼〜eternal〜

2023年05月05日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 午前中、Netflixでドラマなど観て遊んでいたら、偶然、「美しい彼」という深夜ドラマ、30分で6話完結という男子高校生同士の恋愛を描いた誠に美的な作品に当たってしまいました。
 吃音で学級カーストの最底辺にいるキモくてウザい男子高校生、ヒラと、学級カーストの頂点で、男子からは大人気、女子からはモテモテの美少年、キヨイの恋を描いた話です。
 6話、一気見してしまいました。

 今、この作品の劇場版が公開中ということで、夕方早速観てきました。

 劇場版ではヒラが大学生となり、キヨイは俳優となって、最初はヒラの片想いだったのが、いつしか相思相愛となり、二人は同棲生活を始めます。

 深夜ドラマとは大違いでした。
 物語は重層的で、登場人物も曲者ぞろい、映画は金がかかるだろうなと思いました。

 キヨイの相手役を演じる女優の熱烈なファンがキヨイを拉致監禁したり、日ごろ大人しいヒラが狂気を帯びて助けに向かい、犯人を殴りまくって半殺しにしたり、複雑な物語が描かれ、魅力的です。 


 私は妙齢の優し気で気だるげなお姉さんが大好きな、自分でも嫌になるほどのストレートですが、なぜか、若い頃から同性愛を描いた作品を好んで観ています。

 古くは「モーリス」
 これは英国の美しい自然のなかで差別にあいながらも貴族の青年同士や使用人との恋模様を描く、社会的で美的な作品でした。

 最近では、特に意味などない、イタリアの田舎で美術史家の息子である高校生と、夏休みの間だけ美術史家の助手を務めに来た米国人大学生との恋を描いた美しいだけの、しかし印象に残る「君の名前で僕を呼んで」がお気に入りです。

 自身がコテコテの異性愛者でありながら同性愛の映画に魅かれるのはなぜでしょうね。

 世間にはBLと呼ばれる美少年同士の恋愛を描くジャンルがあって、そのファンのほぼ全員が、腐女子と呼ばれる女性たちです。
 あまりに女性ばかりなので、映画館に入りずらい感じさえします。
 見渡したところ、今日観た劇場、男性客は私一人のようでした。

 一方、私は男女の恋を描いた、いわゆる恋愛映画というものに興味がありません。
 100本の恋愛映画を観るよりも、1回だけでも現実の恋をしたほうがよほど面白いと感じてしまうのです。

 独身男女の恋であれば、祝福され、結婚という便利な制度が整っていて、後ろ指を指されることはありません。
 しかし突き詰めて考えると、それは生殖という本能がなせる業。

 しかし男同士の恋は気味悪がられ、差別され、結婚もできず、やむを得ず養子縁組したります。
 生殖は絶対に不可能です。

 男女の恋が太陽であれば、男同士の恋は月。
 日影の淫靡な存在でしかありません。

 最近でこそ、LGBTを差別してはいけないとされていますが、社会的な差別は今も色濃く残り、かつてキリスト教国では死刑でした。
 わが国では男色を差別する風潮は無かったのに、明治以降、欧米並みに社会から異端者として扱われるようになりました。

 無粋なことです。

 差別される日影の花だからこそ、男同士の恋は至純なものにならざるを得ません。

 男女の場合、惚れたはれたも重要でしょうが、お金持ちと結婚したいとか、なるべく若いほうが良いとか、動機に不純なものが混じることが多いように思います。

 しかし、差別されても気味悪がられても、一緒にいたいという強い思いで人を恋うる姿は純粋で美しいと思います。
 それが、私が同性愛者に憧れる最大の理由だと思います。

 私には女難の気があって、高校生の頃、女子40人、男子5人のクラスにいました。
 これは高校2年生で3年分のカリキュラムを終え、3年生になると細かく科目が選べるため、私が選んだ科目が女性向けだったためです。
 大学生の時も、7割くらい女性でした。
 就職する時、男は私一人。
 現在の部下も女性しかいません。

 なので女性には分けだてなく接しようと心がけていますが、同居人に言わせると、お気に入りの女性とそうでない人とでは、露骨に態度が違うそうです。
 正直者と言いましょうか。

 私が男同士の恋に興味があるのは、周りが女だらけの環境に長くいるからかもしれません。

 もしかしたら私は、肉体的には女性好きですが、精神的には男が好きなのかもしれません。


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