今日は朝一番で近所のシネコンに向かいました。
車で15分ほど。
観たのは北野武監督の「首」です。
本能寺の変前後の信長、秀吉、光秀、荒木村重らを描いた大作ですが、好悪が分かれる作品だと思います。
まず、やたらと首を切り落とし、高々と掲げるシーンがあること。
日本人はかつて首狩り族だったことを思い知らされます。
NHK大河ドラマでは絶対に無いシーンです。
NHKで描かれない点と言えばもう一つ、武人の契りと称する男色が色濃く描かれることです。
この作品では荒木村重と光秀は恋仲ということになっており、光秀に辛くあたる信長はじつは光秀に懸想しています。
信長と森蘭丸との濡れ場は特に濃厚です。
かつてわが国では男色はタブーではなく、むしろ男の嗜みの一つであったと聞きます。
男とも女とも色を楽しむのがむしろ普通であったとか。
そういう意味では、この映画はもしかしたらリアリティを求めたのかもしれません。
しかし、本能寺の変あたりの秀吉は脂が乘りきり、野心に燃えていたはずですが、たけし演じる秀吉はユーモラスで枯れたおじいさんにしか見えません。
他のキャストがなかなか良かっただけに残念です。
特に信長役の怪演が光っていました。
狂気じみた感じが信長らしい感じです。
2時間30分の長尺を飽きさせないのは見事ですが、たけしには監督に徹してほしかったと思います。
たけしが登場すると、あまりの存在感から秀吉ではなく、たけしにしか見えません。
是非とも観て欲しい映画ではありませんが、私はまぁまぁ楽しめました。
最新の画像[もっと見る]