今日は広島に原爆が投下された日ですね。
原爆投下については、無差別大量虐殺で犯罪行為だとする言い分と、本土決戦を避けることになり、結果として連合軍兵士のみならず、多くの日本軍兵士、日本の民間人を救った必要悪だとする考え方があります。
一般的には、2発の原爆が、わが国がポツダム宣言を受諾する決意をさせたと言われているようですが、日本政府及び軍部にとって最も痛手で誤算だったのは、ソ連の参戦でしょう。
ソ連を敵に回しては、四方八方敵だらけということになり、そのまま戦争を継続すればわが国は分断国家になってしまったことでしょう。
私の母は長崎で被爆しており、私は被爆2世ということになりますが、あの状況下での原爆投下の是非を、現代の価値観で断罪する気にはなれません。
もちろん、原爆投下を積極的に肯定する気もありませんが。
要するに、ニュートラルな立場ということになりましょうか。
ただ一、その後70年、一度も核兵器が使用されなかったことは、2発の原爆の尊い犠牲者のおかげだと感謝しています。
核大国が核を使わないのは、もちろん報復攻撃が怖いというのが一番の理由だとは思いますが、それにしても、あの惨状を知った世界の指導者が、核を使うことをためらう理由の一つになっていることは間違いないでしょう。
冷静に考えて、近い将来、核兵器が廃絶されることはあり得ないでしょう。
しかし少しづつでも核兵器を減らし、最終的には全廃し、その先には軍事力そのものが必要なくなることを、無理とは思いつつ、目指すべきでしょうねぇ。
その長い、あるいはあり得ない道のりを思うと、茫然とせざるを得ません。
昨夜は「告白」で大ベストセラーをとばした湊かなえのミステリーを読みました。
じつは「告白」は読んでいないのですが、映画で観て、非常な感銘を受けました。
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昨夜読んだのは二人の仲の良い女子高生の夏休みを描いたものです。
タイトルは、ずばり、「少女」。
ブログのタイトルは、作中小説の題名です。
この二人の他に、ほとんど登場しませんが、ミステリアスな転校生がからみ、物語は重層的でいくつもの仕掛けを隠し、あっと驚く内容になっています。
転校生は、前の学校で、親友の自殺に出くわします。
遺体の第一発見者になってしまったことにより、人の死ということに関し、愁いを帯びた口調で語ります。
それを聞いた二人は、猛烈に人の死に、それも死ぬ瞬間に立ち会いたいと願います。
夏休み中、一人は老人ホームでボランティア活動をし、一人が読み聞かせのボランティアで訪れた病院で難病の少年と知り合い、交流を深めます。
その中に恋愛めいたスパイスを効かせつつ、誰もが一癖も二癖もある人物であるということが分かり、終盤、予想もしなかった展開を見せます。
もちろん、中心となるのは、人の死にどう立ち会うか、ということ。
で、楽しめたかと言うと、中ぐらい、というのが正直なところです。
緻密で豊穣な物語を構想する能力と、美しい日本語を紡ぎ出す能力は、根本的に異なるものなのだということを実感させられました。
要するに、文章が不味いのです。
なんだか粗筋を追っているような気分になりました。
これほど才能豊かな人に、優れた筆力は無用の長物ということでしょうか。
天はニ物を与えず、と言いますからねぇ。
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