ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

トンデモドクター、大活躍

2015年08月03日 | 文学

 昨夜は冷酒をちびちびやりながら、デブで幼児のように天真爛漫な精神科医、ドクター伊良部が活躍する、「空中ブランコ」を楽しみました。

空中ブランコ (文春文庫)
奥田 英朗
文藝春秋

 以前読んだ「イン・ザ・プール」の続編です。

イン・ザ・プール (文春文庫)
奥田 英朗
文藝春秋

 伊良部総合病院の跡取り息子、伊良部先生は一風変わった精神科医。
 総合病院の暗い地下の診察室で、患者を待ち構えています。
 患者が来ると、まずはビタミン注射。
 打つのはミニスカートに胸の開いた白衣を着たクールなナース。
 伊良部医師、注射を打つのを観るのが大好きな注射フェチなのです。
 
 某サーカスで空中ブランコのエースを張っていた男が、失敗を積み重ねるのを苦に来診したり、ゴールデングラブ賞の常連の名野手が暴投ばかりするのに苦しんだり、恋愛小説のカリスマが創作に悩んだり、それぞれに深刻な悩みを抱えて伊良部先生の元を訪れますが、伊良部先生は能天気。

 しかし逆説的な方法で結局は解決してしまうところをみると、伊良部先生は名医なのかもしれません。

 ユーモア小説とはかくあるべし、というような、愉快な短編集です。

 自分の悩みは深刻でも、他人の苦しみは滑稽ということでしょうか。

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