ステージおきたま

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昭和初期の衣装ってどんな?『流れ旅 匂うが紅』押し寄せる難問の大波小波!

2016-12-14 09:50:36 | 演劇

 なんだって昭和初期なんて時代設定にしたんだい?!もう、やたらハードル高すぎだぜ!って、今更なんだよ、悔やむのは。

 『お遍路颪』は明治だったし、『女たちの満州』は戦時中、『クロスロード』も現代から終戦直後に遡った。どうも、昔に引っ張り込まれてるなぁ。別に懐古趣味なんかじゃない。今の時代にはない、厳しさとかひたむきさのようなものがあるんだ。ちゃらちゃら暮らしてんじゃねえよ、って刃を突きつけてくるような感じ。もっと真剣に生きろ!って。

 で、書いてしまって苦労する。言葉使いとか、身ごなしとか、髪型とか、着てるものとか。そう、一番の悩みは、衣装なんだ。材質が違う。デザインが違う。見つけるの大変!稽古日には必ず古着市が立つ。稽古場一面に広げられた着物、帯、羽織、背広!これどう?こっちは?それじゃぁ、こいつ?次々に肩に掛けて僕の前に立つ。即座にダメ出しをすることもあれば、まず着せてみて判断することもある。衣装そのものが良くても、役者に合わないってことだってしょっちゅうだから。

 役者の好みってこともあって、若い奴らの場合、自分で着たいものを指す出すってことも多いんだが、そんなものはすべて却下だ。お気に入りを探してんじゃない。芝居にふさわしい衣装が欲しいんだ。

 着物なんて、伝統衣装だから、そんなに悩まないでしょ、なんて、甘い甘い。柄も違えば素材も大違い。菜の花座や置農演劇部のコンテナ数個分の和装ストック、ほとんど、今風で使えない。特に、当時の女工さんの着物?ないない。だいたい、あの粗い織の木綿地なんて、ほとんど手に入らないから。古着屋さんに出てるとしても、婆さんのたつきくらいだもの。

 当時の役者の恰好、これまた、うーん?唸ってしまう。普段着、舞台衣装、それぞれに要求が違う。鬘の問題もあるが、それについては、次回書く。

 男物だって、難儀する。洋服もずいぶん変わってるから。布を見ただけで、あっ、それ昔にゃないってわかってしまうし、形も微妙に違う。例えば、胴回りのテーパードの具合なんかも微妙に違う。まして、当時の大金持ちの洒落者!なんて条件が厳し過ぎる。座長に言い寄る小金持ちの小屋主、なんてのも、かなりの難問だ。

 リサイクルショップ回りしたり、蔵から爺さんの洋服引っ張り出したりと、座員たちの苦心惨憺が続いている。菜の花座出演者12人、ほぼ全員が3回衣装替えをする。容易なこっちゃない。でも、これを疎かにしたら、舞台ちゃちなものになる。最後の最後まで、探し物が続く。

 

コメント
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