ステージおきたま

無農薬百姓33年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

初めての青菜漬け

2016-12-05 10:24:23 | 暮らし

 山形って言ったら、漬物でしょ。漬物って言ったらそりゃ青菜漬けだ。初冬、スーパーや八百屋には、軽く干して5,6株束ねた山形青菜が並ぶ。こいつを漬けこまんことにゃ、冬を迎えられないってのが山形の古式豊かな暮らしの在り方なんだなぁ。韓国のキムチと同じ、その地の暮らしに切っても切れぬ県民食ってところだ。高菜の一種だが、辛みが強く、歯ごたえもしっかりしているから、もっぱら漬物用。あっさりと塩漬けしたものより、かなりこてこての調味液に漬けこんで、艶やかなべっ甲色になったものの方が好まれる。冬場、こたつに入れば、その中央には必ずこの青菜漬けの一皿がでかい顔で鎮座して、人々の話題をさらうことになる。

 そんな伝統の青菜漬け、今年初めて挑戦してみた。もちろん、栽培からだ。9月、たっぷり堆肥を入れた畑に種まきして、途中有機肥料の追肥1回。なんせ、この菜っ葉、肥料喰いなんだもの、大きく育てて幅広の茎を作る。葉先の部分より、この茎の部分の方が歯ごたえもあり、美味しい。

 よしよし、狙い通り、見事な青菜が収穫できた。さて、ここからは、ネットのレシピをあれこれ参考にしながら。えー、まず、水洗いして、日陰に2日干してしんなりさせる、そうか、こうしないと、漬け込む際に茎が折れちまうからなんだって。うん、たしかに、茎の部分はまったくしなやかさってものがない。きっとこのぱりぱり感が漬物のあのシャキシャキ感を生み出すんだろう。

 まずは下漬け。ほー、5%の塩かぁ、白菜キムチの3%よりちと高めだ。干してるからなぁ、そんなもんなんだろう。塩水の差し水もしながら、20キロの青菜を漬ける。ありゃ、樽小さ過ぎ!やれやれ、も一つ樽を持ち出して、2個の樽でようやく収まった。なになに、30キロの重石だと?あったかいな?そんなに重いの。味噌が保存してある部屋とかその周囲とかあちこち探して、どうにかそれらしくなった。後は、1日後に水が上がるので、重石を半分にする、なるほど。

 ところが、2日経ち、3日経っても、さっぱり水が上がって来ない。その間、差し水、さらに差し水。おいおい、このままだと黄色く枯れて来ちまうぞ。どうなってんだよ。毎日、ご機嫌伺いを続けたら、5日目、ようやく水が上がって、菜っ葉がすべて水没した。良かった良かった。

 そこから1週間置いて、いよいよ、本漬けだ。これも当然ネットが先生なんだが、いろんな方法があって、どれを採用してよいやら、悩みに悩んだ。なんせ、経験ゼロだから、どんな調味液に漬ければ、どんな仕上がりになんのか、さっぱり見当がつかない。迷った末に、山形の漬物屋さんのレシピを頂戴することにした。理由は、化学調味料とか保存料とかまったく使っていないってことと、なんたって、老舗専門店だし、下手なレシピ出してたら売り上げに響くものね。それと、青菜の緑を生かした調味漬けと、べっ甲いろの長期保存用と2種類載ってるってこともいいねえ。20キロなんて、我が家だけじゃとても消費しきれない。早めに食べ始めて、冬中食いに食っても、冬の終わりまで食い続けなきゃとても無理。となれば、浅漬けとディープ漬けの2種必要だろう。

 保存料使わないとなると、食塩とか醤油はたっぷりなんだろうね、と思ったら、これが意外と少ない。あっ、なるほど!酢と焼酎で保存性高めるってわけだ。もちろん、隠し味にもなるだろうしね。さすが、プロの技!早漬け用は、白出汁に赤ザラメに酢と焼酎。べっ甲漬けの方は、砂糖は黒砂糖、それに醤油と市販の麺つゆに酢と焼酎。そりゃ市販の麵つゆなんて使っちゃおれなから、これは、しっかり出汁とって、みりんと醤油でかえしを作って加えた。下漬けの液は絞り出して、2つの樽に青菜を敷き詰め、交互にそれぞれの調味液を掛けて、重石をして終了。

 3日後、浅漬けの方の出来は?

 おっ、いいじゃないか。色合いも緑艶やか!そして、お味の方は?よいよい!薄味だが、しっかりコクがある。歯ごたえもしゃきっと見事。これなら行ける。これなら、一冬食べ続けていける。人にも上げられる。ちょっと心配は塩分の取り過ぎだが、そこはしっかり走って、汗かこう。初青菜漬け、まずは、第一弾、成功だ。漬物の深みにどんどん溺れて行きそうだよ。

 

コメント
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